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新居費用除いても700万円超…「ウェディングフレーション」に苦しむ韓国の新郎新婦

登録:2024-04-25 06:12 修正:2024-04-25 07:56
ゲッティイメージバンクより//ハンギョレ新聞社

 来春結婚を計画している新郎のLさん(36)は最近、結婚式場の価格に驚いた。ソウル瑞草区(ソチョグ)一帯の有名な結婚式場の見積もりが2年間で3千万ウォン(約340万円)台から5千万ウォン(約560万円)台に上がったためだ。その式場のウェディングプランナーは「物価上昇分が反映された。他のところも状況は同じだ」と説明したという。

 生活物価の高騰が続く中、結婚費用も急激に高くなり、「ウェディングフレーション」という言葉まで登場した。「ウェディング」と「インフレーション」を掛け合わせたもので、結婚式場、写真撮影、新婚生活に必要な家具や家電、新居など結婚と関連した物価が大幅に上昇した現象を意味する。特に、春の結婚シーズンの結婚費用はさらに跳ね上がっている。結婚情報会社の「佳縁」が結婚1~5年目の既婚者1000人を対象に調査し、1月に発表した「2024年結婚費用レポート」によると、住宅費用を除く結婚準備費用の平均が6298万ウォン(約710万円)に達した。統計庁も昨年末に発表した「韓国の社会動向2023」で、未婚男女が結婚をためらう最も大きな理由が「結婚資金不足」だと指摘した。

 一部の新郎新婦は、結婚費用を減らすために地方自治体が貸館を行う式場を選んだり、手続きの一部を省いたりして結婚式の準備を進めているが、費用の節減には限界があると口をそろえる。9月にガーデンウェディングを行う予定のキム・ジアさん(仮名・33)は「ソウル市の結婚準備支援サービスを通じて10万ウォン(約1万1千円)未満で結婚式の場所を確保したが、花飾りからテーブル、パラソル、音響施設の設置まで費用が嵩み、食事を含めて3千万ウォンほどになった」とし、「ブライダル会社の式場で行う小規模のガーデンウェディングよりは安かったが、予想より支出が大きく、家電や家具に使う費用を切り詰めなければならなかった」と語った。今年7月に結婚するCさん(33)も「スタジオでの写真撮影をスナップ写真に替え、ウェディングドレスだけで、お色直しもやめることにした」とし、「礼物(結納品に当たる)や礼緞(結納金に当たる)など不要なものも省略したが、式場など変えられない固定費用で準備費用を2千万ウォン後半台以下に下げることは難しかった」と話した。

 不透明な市場構造のために費用調整が難しいという指摘もある。先月式場の契約を終え、ウェディングドレスを探しているOさん(32)は「普通、式場など結婚関連費用は直接プランニングを受けるまでは実際の金額を知ることが難しく、オンライン・コミュニティやアプリケーションなどを通じて情報を得たりもするが、それも限られており、実質的な比較が難しい」とし、「法外な金額を言われるのではないか、ずっと不安」と語った。

 これに対し政府は来年からブライダル会社が「スドメ」(写真スタジオ、ドレス、メイクアップ)など結婚準備と関連して順守しなければならない価格表示の対象と項目、方法などを義務化する「価格表示制」を導入する。また、これまで120カ所あまりだった公共施設に加え、博物館や美術館などを結婚式場として活用できるようさらに開放する。仁荷大学のイ・ウンヒ教授(消費者学科)は、「実際の価格表示制が実効性を持つためには、消費者がブライダル会社を訪問せず選択を下す前に見られるように提示されなければならず、(表示された価格が)消費者が最終的に支払う価格と差が何%を超えてはならないという具体的な内容が含まれなければならない」と指摘した。

ユン・ヨンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1137956.html韓国語原文入力:2024-04-24 20:55
訳H.J

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