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韓国の私教育費、年間27兆…尹政権成立後2年連続で史上最高値更新

登録:2024-03-15 07:21 修正:2024-03-15 10:29
ソウル大峙洞の塾街=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 昨年1年間に小中高生が支出した私教育(塾や習い事のこと。公教育と対になる概念)費は27兆1000億ウォン(約3兆円)で史上最高値だった。2020年の新型コロナウイルス禍で一時的に落ち込んだが、2021年の23兆4000億ウォン、2022年の26兆ウォンに続き、3年連続で最高値を記録した。政府は昨年、キラー問題(超高難度問題)の排除と9年ぶりの「私教育軽減対策」などによる私教育費の抑制に言及したものの、実際の効果はあまりなかったわけだ。

 教育部と統計庁が14日に発表した「2023年私教育費調査の結果」によれば、昨年1年間に全国の小中高生が使った私教育費の総額は27兆1000億ウォンで、2022年の26兆ウォンに比べて4.5%増加した。

 私教育費の総額はコロナ禍初期の2020年にやや減少したものの、2021年にはコロナ禍前の水準を上回り、2022年にはさらに増え、増加が続いている。

 私教育参加率も78.5%で史上最高だった。小中高ごとの私教育費総額は、小学校が12兆4000億ウォンで対前年比4.3%増、中学校が7兆2000億ウォンで1.0%増、高校が7兆5000億ウォンで8.2%増。

 今回の調査は、昨年5~6月と9~10月に全国の約3千校の小中高生7万4千人あまりに対して、保護者が私教育費調査のウェブサイトにアクセスして自ら入力する方式で実施された。塾の受講、個人やグループでの家庭教師、訪問学習誌、インターネット講義などの受講料(教材費含む)への支出が集計された。

 子ども1人当たりの月平均私教育費も最高値を更新した。私教育を受けている子ども1人当たりの月平均額は55万3000ウォン(約6万2000円)。初めて50万ウォンを突破した2022年(52万4000ウォン)から5.5%の増だ。私教育を受けていない子どもも含めた平均額は1人当たり月43万4000ウォン。

 小中高ごと(子ども全体の平均)に見ると、小学生が39万8000ウォン(約4万4500円)で対前年比6.8%増、中学生が44万9000ウォン(約5万円)で2.6%増、高校生が49万1000ウォン(約5万5000円)で6.9%増。科目別の1人当たりの月平均私教育費は小中高合わせて英語が12万8000ウォンで最も多く、続いて額の多い順に数学(12万2000ウォン)、国語(3万8000ウォン)、社会・理科(1万9000ウォン)。前年と比べると国語(11.1%)、社会・理科(8.2%)、数学(5.6%)、英語(3.8%)すべてで増加がみられた。

 高所得層の世帯と低所得層の世帯の私教育費の支出格差は相変わらずだった。月所得800万ウォン以上の世帯の昨年の月平均私教育費は67万1000ウォン。一方、月300万ウォン未満の世帯は18万3000ウォンにとどまり、約3.7倍の差があった。前年に比べそれぞれ3.5%、3.0%の増。私教育参加率は月所得800万ウォン以上の世帯が87.9%、月300万ウォン未満の世帯が57.2%だった。

パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1132236.html韓国語原文入力:2024-03-14 12:00
訳D.K

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