1万2千人に近い専攻医が病院を離脱した中、韓国政府は約5千人に対し免許停止などの行政処分の事前通知を終えた。政府は上級総合病院に公衆保健医(公保医)と軍医を派遣すると共に、すでに復帰したか、復帰を望む専攻医の被害を防ぐための専攻医保護・通報センターを運営することにした。
保健福祉部のチョン・ビョンワン医療政策室長は11日、医師集団行動に関する中央災害安全対策本部のブリーフィングで、「政府は業務開始命令に違反した専攻医に行政処分の事前通知書を順次発送している」と明らかにした。8日午前11時基準で、100カ所の研修病院の専攻医1万2912人のうち92.9%に達する1万1994人が契約を放棄し、勤務地を離脱した。福祉部は8日までの間に業務開始命令に違反した4944人を対象に行政処分事前通知書を発送し、残りにも順次に行政処分手続きを進めている。
福祉部はまた、専攻医の離脱による医療空白に埋めるため、同日、上級総合病院20カ所に軍医20人と公保医138人など158人を派遣したと発表した。彼らは教育修了後、13日から診療現場に投入される。福祉部は早ければ来週にも公保医約200人をさらに投入する計画だ。福祉部のチョン・トンリョン公共保健政策官は「来週中に公保医をさらに投入できるよう準備している。機関の需要調査後に配置しなければならないため、時期は流動的だ」と説明した。
福祉部は12日から専攻医保護・通報センターも運営する。電話や携帯メールで被害の通報を受け付け、専攻医の要請があった場合、他の研修病院で研修できるようにするとともに、後に不利益を受けたかどうかを調べる予定だ。チョン室長は「医療現場を守っている専攻医や復帰を希望する専攻医が集団いじめなど直接・間接的に受けるかもしれない被害を防ぐための措置」だと説明した。
政府はこの日も専攻医と医学部生に対話を呼びかけた。イ・ジュホ副首相兼教育部長官は、40大学の医学部学生団体である韓国医学部・医科大学院協会(医大協)の代表に学事運営の正常化などについて協議することを提案し、13日午後6時までに参加意思を表明してほしいと求めた。福祉部は専攻医らに対し「行政処分の手続きが完了するまでに復帰するなら情状酌量する」として、復帰を促した。
一方、各大学医学部の教授らは専攻医の集団辞職と医学部生の同盟休学により、彼らが受けるかもしれない不利益などに対応するため、非常対策委員会を結成し対策を議論している。ソウル大学医学部教授協議会の非常対策委は11日午後5時、緊急総会を開く。同日の緊急総会では、教授らが団体で辞表を提出するなど、集団行動を起こす案も取り上げられるという。延世大学医学部教授協議会は同日午前、セブランス病院精神健康医学科のアン・ソクキュン教授を非常対策委員長に選出した。成均館大学医学部教授協議会は12日午後6時、オンライン会議を開く予定だ。全国医学部教授協議会(全医教協)は9日に続き、14日にも対策を協議することにした。キム・チャンス全医教協会長はハンギョレに「学生と専攻医に取り返しのつかない被害が生じた場合、教授協議会として集団行動を起こすべきだという意見が多くなっている」と話した。