米中戦略競争とウクライナ戦争の局面で、中国とロシアが北朝鮮を「米国に対抗する安保の緩衝空間として再認識し、地政学的価値をさらに高く評価した」という分析が出た。
27日、ソウル麻浦区(マポグ)創批西橋ビルで開かれた共に民主党のイ・ヨンソン議員と朝鮮半島平和フォーラムが主催した「朝中ロ三角関係と朝鮮半島の未来」討論会で、朝鮮半島平和フォーラムのキム・ヨンチョル理事長は、「北朝鮮と米国の間で『仲裁者』の役割を果たしてきた中国とロシアが、今や北朝鮮と三角関係を成し、共同対応を行っている」とし、「朝中ロ三角関係における北朝鮮の地政学的価値は米中関係にかかっている」と述べた。
キム理事長はさらに、「冷戦時代より現在(中ロ、朝中、朝ロ)の二国間関係の好循環が、(北朝鮮の)外交的自律性を発揮するのに有利」だとし、「政治、外交、軍事、経済協力などを包括する領域で、三つの二国間関係の進展は自然に三角協力の具体化に進むだろう」と述べた。
中国東北地域とロシア極東地域など三国間の国境地帯を中心に制限された形態の北方経済圏が登場し、中ロ両国の連合軍事演習に北朝鮮が積極的に参加するなどの軍事協力の可能性も大きくなったということだ。また「中ロ両国が北朝鮮の核能力を朝鮮半島における勢力均衡とみており、北朝鮮核問題を『交渉によって解決する』可能性は消えた」とも付け加えた。
一方、討論会では朝中ロ三角関係が実際にどれほど強固になるかについて、疑問を呈する見解もあった。
成均館中国研究所のイ・ヒオク所長は「韓米日対朝中ロの構図が『新冷戦』の形で強固になるかどうかについては質問が必要だ」とし、「朝中関係も強固になったように見えるが、亀裂も多い。中国は米中戦略競争戦線が数カ所に拡大することを望んでいないため、朝鮮半島問題における朝中協力の高度化が米中関係にとって負担になり、警戒する側面がある」と語った。ソウル大学統一平和研究院のチャン・ヨンソク客員研究員も、「北朝鮮のDNAには大国に対する警戒があるが、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長もそうでありうる」とし、「金委員長は非常に実用的で現実的であり、米国と西欧世界に認められることが北朝鮮にとって活路を開く道になるのが現実だ」と話した。
ペク・ジュンギ元国立統一教育院院長は「現在の朝中ロの関係は戦略的な意味で評価しなければならない」とし、「(彼らは)冷戦時代には理念に基づいた関係だったとすれば、今は地政学的要因によって(三角関係の)戦略的安定性がさらに大きくなる可能性がある」と予想した。韓米日も同盟水準に協力関係を引き上げる中で、「中国の意志とは裏腹に、現在の国際秩序の構造の中では、中国もロシアや北朝鮮のような戦略的傾向を帯びざるを得ない」と語った。
それとともに「現在は理念的対決構図が成立せず、世界が半分に分かれて二つの体制が作動するわけでもない」とし、「現在の状況を新冷戦構図に基づいてみると、ロシアや中国などと正常な外交関係を持つのにかなりの制約が生まれるだろう」と話した。