北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は日本の岸田文雄首相宛てに、1日に発生した能登半島地震による被害に対する見舞いの電報を送った。労働新聞が6日付で報道した。朝日首脳外交につながるか注目される。
金委員長は「日本国総理大臣岸田文雄閣下」に送った2文の「お見舞い電報」で、「日本で元旦から地震によって多くの人命被害と物質的損害を受けたという知らせに接し、遺族と被害者たちに深い同情とお見舞いの意を表します」としたうえで、「被害地域の人々が一日も早く安定した生活をとり戻すことを願っています」とした。
金委員長が2012年の政権獲得後、日本の首相に公開で書簡を送ったのは今回が初めて。しかも、昨年末の労働党中央委員会第8期第9回全員会議(2023年12月26~30日)では「米国が我が共和国に対する敵視政策を実現する上で、最も忠実な子分、“忠犬”の役割を果たしている南朝鮮の輩と日本の輩」と述べ、日本に対する敵がい心をあらわにしていた。ところが、それから数日後、岸田首相に「閣下」という尊称を使って手紙を送った。人道主義精神の名目にしているが、朝日が国交のない「敵対国の関係」にあることを考えると、注目すべきことだ。
林芳正官房長官は6日、金委員長からお見舞いの電報が届いた事実を認め「感謝の意を表したい」と述べた。林長官は「日朝間のやり取りについては、今回のメッセージに対する対応を含め、事柄の性質上、控えたい」とし、具体的な言及は避けた。しかし、朝日首脳会談の意志を強調してきた岸田首相が答電を送り、金委員長がこれに返信した場合、朝日首脳の間に「対話の扉」が開かれる可能性がある。