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「ソウル49選挙区で優勢は6カ所のみ」分析に「本当に?」…韓国与党の危機

登録:2023-12-09 08:44 修正:2023-12-09 09:10
ギャラップ世論調査「野党が勝つべき」51% 
革新委が成果なく終了、万博誘致失敗 
悪材料の中、指導部責任論が頭もたげるも…
国民の力のキム・ギヒョン代表が23日、国会で最高委員会議をおこなっている/聯合ニュース

 革新の失敗と2030年万国博覧会(万博)誘致での惨敗、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の低調な国政支持率などが重なっている与党「国民の力」の内部で、危機感が高まっている。来年の総選挙で政府をけん制するために野党が勝利すべきだ、とする回答が50%を超えた世論調査の結果も発表された。

 世論調査機関「韓国ギャラップ」は、5日から7日にかけて全国の満18歳以上の成人男女1千人に対して実施した調査の結果(信頼水準95%、標本誤差±3.1ポイント)を8日に発表した。調査の結果、回答者の半分以上が政府けん制論を支持した。

 「現政権をけん制するために野党候補が多く当選すべきだ」とする回答は51%で、「現政権を支援するために与党候補が多く当選すべきだ」とする回答(35%)を16ポイントも上回った。先月10日に発表された同じ調査では「野党候補が多く当選すべき」が46%、「与党候補が多く当選すべき」が40%で、その差は誤差範囲内の6ポイントだった。1カ月でその差がさらに10ポイント広がったのだ。それだけ与党に対する失望が拡大したということだ。尹大統領の支持率は32%にとどまった。

 実際に、国民の力はこのところ悪材料が重なっている。ソウル江西(カンソ)区長補欠選挙での惨敗後に設けた革新委員会は、わずか42日で成果なく早期終了した。さらに尹錫悦政権が釜山(プサン)・蔚山(ウルサン)・慶尚南道地域の選挙区において会心のカードになると考えていた2030年万博の釜山誘致は、惨たんたる失敗に終わった。

 ギャラップの調査で、釜山・蔚山・慶尚南道において「現政権をけん制するために野党候補が多く当選すべき」は46%を占め、「現政権を支援するために与党候補が多く当選すべき」(38%)を誤差範囲を超えて上回った。先月の調査では「政府支援論」が48%で「政府けん制論」(40%)を上回っていたが、1カ月で流れが変わったのだ。韓国ギャラップ企画調査室のチャン・ドクヒョン部長はハンギョレに「(与党に対する)総選挙における期待が最も否定的な状況にまで至っているとみられる」と語った。

 与党内では、来年の総選挙で「ソウルの49の選挙区のうち、優勢なのは江南(カンナム)地域を中心とする6選挙区だけ」という内部分析の結果に当惑する声があふれている。議員たちはテレグラムのグループチャットで「これは本当ですか」(チョン・ジンソク)、「京畿道はもっとひどいです」(キム・ハギョン)という会話を交わしている。

 このような中、革新を拒否したキム・ギヒョン指導部の責任を問う声があがっている。イ・ヨンホ議員は記者会見で「党指導部はこれ以上時間を引き延ばすことなく、革新に応じるべきだ」と述べた。ソン・イルチョン議員もフェイスブックに「果敢な自己犠牲と党の進路の鮮明なロードマップを国民に示さなければならない」と書き込んだ。釜山選出のキム・ミエ議員は記者団に「直ちに求められる革新は、責任を取る姿を見せること」だと述べた。

 党指導部は外部から人を迎え入れて局面の転換を図っている。人材迎入委員会はこの日、『ピーポーピーポー119』の著者で大韓小児青少年開院医師会の副会長でもあるハ・ジョンフンさん、京畿大学のイ・スジョン教授、脱北者でもある現代製鉄研究開発本部のパク・チュングォン責任研究員、「自立準備青年支援(SOL)」のユン・ドヒョン代表、ク・ジャリョン弁護士の5人を迎えたと発表した。

 一方、尹錫悦大統領はこの日、キム・ギヒョン代表とイン・ヨハン革新委員長をソウル龍山(ヨンサン)の大統領室に招いて昼食を共にした。尹大統領は革新委による前日の活動終了宣言後、初めてイン委員長と対面した。

ソ・ヨンジ、ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1119662.html韓国語原文入力:2023-12-08 17:33
訳D.K

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