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韓国でトコジラミ駆除依頼殺到、1日30件…ホテルはもちろん映画館からも

登録:2023-11-02 07:49 修正:2023-11-02 08:25
最近、トコジラミ人が出没したソウルのある考試院=ワンストップ防疫提供//ハンギョレ新聞社

 月に2回以上映画館で映画を見るのが趣味だったイ・ウンソンさん(34)は、トコジラミが消え去るまでは行かないつもりだ。イさんは「家でペットも飼っているので心配になり、トコジラミが駆除されるまでOTTを見ることで満足することにした」とし、「地下鉄でも布でできた座席には座るのが嫌で、足が痛くなっても立っている」と話した。

 1970年代以降は姿を消していたトコジラミが韓国各地で発見され、市民に不安が広がっている。

 防疫業者は、このところトコジラミに関する駆除の依頼が通常の10倍以上にまで増えていると口をそろえる。ある防疫業者は1日、ハンギョレの電話取材に対し、「週に1回ほどあるかどうかだったトコジラミに関する問い合わせが、今はわずか1日で30件も来る」とし、「首都圏だけでなく済州道からも1日に5件も問い合わせが来るほど、全国に広がっている」と述べた。駆除の依頼が殺到しているため電話する時間も足りないと述べた別の防疫業者も、「かなりの耐性を持っているため駆除も容易ではなく、全国あらゆる場所に出向いている」とし、「ほとんどはホテル、モーテル、考試院のような宿泊施設で、映画館からも依頼が来る」と話した。

 ソウル市は31日に「トコジラミ予防および管理案内書」を関連施設に配布するとともに、各区にこの日からトコジラミの苦情を受け付ける専門窓口を設置している。ソウル市の関係者は「発生届けはまだ1桁台だが、営業に支障があるかなどを念頭に置いたものとみられる」とし、「トコジラミへの対処方法などについての相談が増えている」と話した。1970年代初め以降、トコジラミは国内から姿を消しており、ソウルでは2008年以降、トコジラミ発生報告はなかったとソウル市は説明した。

 旅行を控えた人々の苦悩も深まっている。今月中旬、ソウルでの公演観覧後の共同宿泊施設の利用を予約したKさん(43、慶尚南道在住)は、「子どもがいるので、宿泊をキャンセルして日帰りにすべきか悩んでいる」と語った。海外旅行をめぐっても、トコジラミが広がっているフランスをはじめとする欧州や東南アジアなどは大丈夫か、との質問が旅行コミュニティーなどにはあふれている。Jさん(36)は「ベトナムへの家族旅行を来週に控えているが、両親と子どもたちが一緒なので心配だ」と記している。

最近、トコジラミが出没したソウルのある考試院で、防疫業者が駆除作業をおこなっている=ワンストップ防疫提供//ハンギョレ新聞社

 インターネットでは各種のトコジラミ駆除情報も共有されている。疾病管理庁の「トコジラミ予防・対応情報集」によると、肌に蚊に刺されたような一列または円形の痕ができていたら、トコジラミ発生が疑われる。トコジラミは深い場所に隠れているため、ベッドのマットレスを持ち上げてベッドの角や敷物のシワに赤褐色の排せつ物や圧縮された跡、体の一部、脱皮後の抜け殻などがあるか調べると良い。トコジラミを見つけたら高温のスチームを生息場所に噴きつけ、真空掃除機でトコジラミに汚染されたすべての場所を掃除する。その後、衣類やカーテンは乾燥機で消毒する。同時に、環境部の許可を受けた殺虫剤を人の肌が直接届かない場所にまく。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1114498.html韓国語原文入力:2023-11-01 13:56
訳D.K

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