本文に移動

韓国大統領室、最大野党代表の会談提案に反応示さず

登録:2023-10-04 06:11 修正:2023-10-04 07:39
イ代表「政争を止めて国民の暮らしの問題の解決に取り組もう」重ねて対話を提案 
与党「お門違い」…与野党代表会談を逆提案
尹錫悦大統領と共に民主党のイ・ジェミョン代表=大統領室写真記者団・共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 裁判所の拘束令状棄却で逆転のチャンスを掴んだ韓国の最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は秋夕(中秋節)の連休中、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に国民の暮らしの問題について話し合う一対一の会談を重ねて提案した。しかし大統領室はこれといった反応を示さず、「会うことはない」という態度を貫いた。来年4月の総選挙までイ代表関連裁判の結果が出るのは難しい見通しであり、2人の会談は実現不可能とみられている。

 大統領室高官は3日、イ代表の会談の提案について、「(発表する)考えはない」と述べた。イ代表は先月29日、フェイスブックへの投稿で「大統領と野党代表が条件なしに会って、国民の暮らしの問題と国政を虚心坦懐に話し合い、できることは速かに進めたい。少なくとも12月の通常国会まで政争を止め、暮らしの問題の解決に取り組もう」とし、1対1の会談を提案した。

 大統領室は「大統領と野党の代表が一対一で会うのは、与党総裁が大統領だった時代のこと」だとし、昨年から続いているイ代表の一対一会合の提案を断った。大統領室内部では「潜在的犯罪者であるイ代表には会うわけにはいかない」というムードが強い。尹大統領は24日間に及ぶイ代表のハンスト期間中も、直接会うことはもちろん、ハンストに関する言及をすることもなかった。

 与党「国民の力」は大統領室と歩調を合わせた。キム・ギヒョン代表は同日、記者団に対し、「(イ代表が暮らしの問題について)国会で話し合おうとせず、(大統領に会談を提案するのは)お門違いだ。『木に縁りて魚を求む』のようなものだ」と述べ、与野党代表による会談を逆提案した。

 尹大統領に会談を提案したのは、先月27日に拘束令状が棄却されてからイ代表が初めて発表した「公のメッセージ」だ。イ代表のある側近は「尹大統領が応じることを期待して提案したというよりは、世論を考慮し今必要なことだと判断した」と伝えた。

 イ代表の提案は、第21代国会最後の通常国会で与党に対する闘争の動力を高めるための「最後通告」の側面も強い。イ代表関連の検察捜査に対する尹大統領の謝罪と、ハン・ドンフン法務部長官の罷免を求めた民主党は、年末までに反撃を強めていく可能性が高い。

 イ代表に近い民主党議員は、「地元の住民たちに会ってみると、コア支持層だけでなく中道層の有権者からも『庶民の生活が苦しいのに、大統領は政敵を倒すことばかりに躍起になっている』という不満の声があがっている。与党に国政基調を転換する機会を与えたのに、果たして暮らしの問題について関心を持っているのか疑問だ」と語った。

 尹大統領とイ代表の会談は昨年8月、イ代表が党代表に当選して以来、一度も開かれていない。イ代表関連の裁判の結果が早いうちに出る可能性も低く、来年の総選挙前まで2人の会談が実現するのは難しい見通しだ。

オム・ジウォン、キム・ミナ、ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1110687.html韓国語原文入力:2023-10-04 02:43
訳H.J

関連記事