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「妥協ではなく打倒」1年5カ月…韓国政界、総選挙どころか大統領選まで極限対立か

登録:2023-09-19 10:20 修正:2023-09-19 10:26
与野党はなぜ強対強の泥沼に陥ったのか
尹錫悦大統領が18日、第78回国連総会に出席するため米ニューヨークへたつ前に、城南のソウル空港で国民の力のキム・ギヒョン代表とあいさつを交わしている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権発足から1年半続いてきた与野党の極端な対立と確執は、共に民主党のイ・ジェミョン代表の断食と検察による2度目の拘束令状請求で、戻れない川を渡りつつある。互いに対する認識と要求条件において接点を見出すことが難しいうえ 総選挙が来年4月に迫っていることから、限りのない対決は長期化する可能性が高いとみられる。

 極端な対立は、尹錫悦大統領と国民の力に第一義的な責任がある。

 尹大統領は昨年の大統領選挙で、0.73ポイント差で民主党のイ・ジェミョン候補に辛勝したが、その後、彼を「対話のパートナー」と認めていない。大統領と野党代表との会談はこれまで一度も行われていない。与党の幹部は「尹大統領は基本的に、被疑者(イ代表)とどんな会談をするというのかという認識が強い」と語る。少数与党の状況では野党の協力が必要不可欠であるにもかかわらず、尹大統領はむしろ文在寅(ムン・ジェイン)政権と民主党に対して「反国家勢力」と敵意をあからさまにしてきた。尹大統領は19日以上続いたイ代表の断食にも公の反応を示していない。

 さらに尹大統領は、長官たちに政権の「戦士」となることを注文した。彼は先月29日の国務会議で長官たちに「批判されることをためらわず積極的に戦え。戦えということで、その地位にいらっしゃるのだ」と述べた。13日の内閣改造では、シン・ウォンシク国防部長官候補やユ・インチョン文化体育観光部長官候補ら強硬な人物たちを指名した。検察と監査院は「キム・マンベ-シン・ハンニム録音ファイル」と統計改ざん問題で大々的な捜査と監査を展開し、文在寅政権に狙いを定めている。野党の存在を全面否定し、妥協ではなく「打倒対象」とみなしているのだ。

 自生力のない与党は、国会において緩衝材役を果たせていない。国民の力のキム・ギヒョン代表は11日、「キム・マンベ-シン・ハンニム録音ファイル」に関して「緻密に計画された第1級殺人罪」と称し、イ代表の断食初期である7日には「今断食していらっしゃるのか? よく分からない」と皮肉った。

共に民主党のパク・クァンオン院内代表が18日、国会で非公開で行われる議員総会の開始前に、議員たちと言葉を交わしている/聯合ニュース

 国会の多数党である民主党は、イ・ジェミョン代表の「司法リスク」に起因する内部論争に埋没し、政府与党のけん制に党の力を集中できていない。大統領選での敗北から5カ月後に成立したイ・ジェミョン代表体制は「梨泰院(イテウォン)惨事」への対応過程でイ・サンミン行政安全部長官候補の弾劾を推進したものの、憲法裁判所で棄却された。民主党は「党大会現金封筒疑惑」や「キム・ナムグク議員の仮想通貨投機疑惑」などで道徳性に傷がついた。その間に強硬支持層の影響力はさらに強まった。民主党は「特検と国政調査が乱発される」と党内外から懸念の声があがる中、海兵隊C上等兵捜査外圧特検▽ソウル-楊平(ヤンピョン)高速道路ルート変更疑惑▽公営放送理事解任▽ジャンボリー失敗▽五松(オソン)地下車道惨事などについて「1特検4国調」方針を決めた。

 問題は、与野党の対立には出口が見えないということだ。特に来年の総選挙は対立の溝をさらに深める可能性が高い。龍仁大学のチェ・チャンニョル特任教授は、「選挙が近づけば近づくほど中道へと支持層を拡大していかなければならないが、今は反対に向かっている」とし、「来年の総選挙まで与野党議員は支持層を意識せざるを得ないし、党の公認も受けなければならないため、穏健な声が生き残る余地はない」と述べた。仁川大学のイ・ジュンハン教授も「与野党が互いの存在を認めていないのに、どうして協治ができるのか。来年の総選挙だけでなく大統領選挙まで続くだろう。国民生活は後回しにされ、選挙局面へと政治が突っ走っている」と述べた。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1109091.html韓国語原文入力:2023-09-19 05:00
訳D.K

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