無所属のユン・ミヒャン議員が1日、在日本朝鮮人総連連合会(総連)主催で開かれた関東大震災朝鮮人虐殺犠牲者追悼式典に出席したことが物議を醸している。韓国政府は「朝鮮総連主催の行事に出席したのは適切ではない」として、過料を科す可能性をほのめかした中、与党は「自由民主主義に対する脅威」だとして理念分け攻撃に出た。最近、陸軍士官学校内の洪範図(ホン・ボムド)将軍胸像の移転を推進するなど「理念戦争」に乗り出した与党が、ユン議員の関東大震災犠牲者追悼行事への出席を機に戦線を拡大している様子だ。ユン議員は「理念分け攻撃をするな」と反発した。
統一部は3日、立場表明文を出し「南北交流協力法第9条の2、第30条により、朝鮮総連の構成員と接触するには事前接触の申請および受理が必要であり、これに違反した場合は未申請接触で過料賦課の対象になる。(ユン議員は)統一部に事前接触申請を行っていない」と明らかにした。これに先立ち、ユン議員は1日、東京の都立横網町公園で開かれた総連主催の追悼行事に出席した。外交部も同日の立場表明文で「北朝鮮が核とミサイル挑発をしている時期に、ユン議員が朝鮮総連関連行事に出席したことはさらに適切ではない」と批判した。
与党「国民の力」はユン議員の除名を求めた。同党のカン・ミングク首席報道担当は同日の論評で、「ユン議員は大韓民国の国会議員の資格がない」とし、「国会は反国家勢力と(共に)大韓民国を脅かしたユン議員の除名で自由民主主義を守らなければならない」と主張した。
ユン議員は追悼式典への出席をめぐる議論に対し、「理念分けで攻撃するのではなく、関東虐殺の真相を究明し、犠牲者の前に礼を尽くすべきだ」と反論した。ユン議員は2日、自身のフェイスブックを通じて「9月1日、関東大震災での朝鮮人虐殺100年を迎え、日本の国会議員と市民、在日コリアン、韓国をはじめ海外で共にしている韓国市民と共に日本で追悼行事に出席した」と明らかにした。さらに「韓国の(関東大震災虐殺)100年事業推進委員会から韓国の国会議員の出席を望んでいるという提案を受け、多くの議員に出席を呼びかけたが、日程が合わず、私一人でも出席する方が共に努力してきた日本の市民と在日コリアンの皆さんに報いることだと思い、訪日活動を準備することになった」と付け加えた。ろうそく行動のキム・ミヌン共同代表はフェイスブックを通じて「ユン議員の追悼式典への出席は非常に望ましいこと」だとし、「民族の悲劇に南と北は関係ない。追悼式典には総連だけでなく日本の市民団体も参加した」という書き込みを残した。
一方、野党「共に民主党」関係者は「ユン議員は民主党所属ではない。無所属議員と関連したことなので、これといった立場はない」と述べた。