本文に移動

韓日の市民たちが共に「関東大震災朝鮮人虐殺100年、日本政府は責任を認めよ」

登録:2023-09-02 07:35 修正:2023-09-02 08:05
朝鮮人虐殺100周忌追悼式
1日午前11時、東京墨田区横網町公園で日朝協会など日本の市民団体で構成された「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が主催した追悼式が開かれた。追悼式に参加した韓日市民が追悼碑の前で追慕をしている=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 「日本政府に要請します、今からでも、犠牲者と遺族たちの痛みが癒されるよう向き合ってください」

 1日午前11時、東京都墨田区横網町公園。「日朝協会」など日本の市民団体で構成された「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が主催した追悼式が開かれた。慶尚南道居昌郡(コチャングン)から来た朝鮮人犠牲者の遺族であるチョ・グァンファンさん(63)が追悼式に参加し、日本政府に向けて声を高めた。チョさんの祖父の長兄は震災直後、日本の軍・警察と自警団によって大規模に行われた朝鮮人虐殺にまきこまれて亡くなったチョ・クォンスンさん(1893~1923)。「祖父の長兄の死を教えてくれたのは、日本政府でも韓国政府でもありません。頭を刃物で刺されたものの、なんとか生き残った祖父の長兄の後輩です。遺族たちの悲しみは今でも続いています」

 日本政府に対して怒りを吐露したチョさんは、50年近く朝鮮人虐殺犠牲者のために追悼式を行ってきた日本の市民たちに対しては、感謝の気持ちを伝えた。チョさんは「このように追悼碑を作り、毎年追悼式を続けてくれたことに本当に感謝している」と述べた後、お辞儀をした。過去の悲劇を忘れないとする日本の市民たちは、1973年に募金を通じてこの横網町公園に朝鮮人虐殺追悼碑を作り、翌年からの49年間、追悼式を続けている。

 宮川泰彦実行委員長は追悼式で「国(日本政府)と東京都は、100年が経過した今でも、朝鮮人虐殺の真相を調査したり、虐殺された遺族に対する謝罪や補償などをしようとしていない」と批判した。さらに、「忘却はふたたび悪魔を呼ぶ危険がある。悲惨な歴史的事実は世を越えて語り継いでいくことが、今を生きる私たちの責務」だと強調した。

東京墨田区横網町公園にある関東大震災朝鮮人犠牲者追悼碑=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 関東大震災100年をむかえ、多くの日本の市民が追悼式に参加した。追悼式に初めて来たというオオクラさん(21)は、「大学で勉強するまで、朝鮮人虐殺についてよく知らなかった。多分他の人たちも同じだろう」としたうえで、「(日本)政府がこうした事実を隠したことには憤りを感じる。朝鮮人虐殺について多くの人に知ってほしい」と述べた。

 追悼式には、韓国から来た「関東虐殺100周忌追悼事業推進委員会」(推進委)の関係者らも大勢参加した。正義記憶連帯のイ・ナヨン理事長は「100年が経過したが、犠牲者はなぜ死ななければならなかったのか、原因も分からない状況だ。この問題は過去型でなく現在進行形」だとしたうえで、「韓国と日本の市民が今のように連帯し、歴史の正義を正し平和を守るために努力する」と述べた。

 この日午後には、日本の右翼団体である「関東大震災の真実を伝える会・そよ風」が朝鮮人虐殺追悼碑の前で集会を予定しており、緊張が高まった。この団体は2017年から、追悼式が開かれる横網町公園から約30メートル離れた場所で「朝鮮人6000人の虐殺は嘘」だと主張し、妨害集会を行ってきた。今回は場所を最初から追悼碑の前に移した。だが、日本の市民数百人が追悼碑の前を守り、団体のメンバーは近づけなかった。

慶尚南道居昌郡から来た関東大震災での朝鮮人犠牲者の遺族であるチョ・グァンファンさん(63)が1日、横網町公園で開かれた「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典実行委員会」が主催した追悼式に参加して発言している=東京/キム・ソヨン特派員//ハンギョレ新聞社

 関東大震災は、1923年9月1日午前11時58分に発生したマグニチュード7.9の大規模災害。それにともない、約10万5000人が死亡または行方不明になった。惨事直後にスケープゴートを見つけようとする険悪な社会の雰囲気と重なり、「朝鮮人が暴動を起こした」「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などのデマが広がった。その余波で、日本の軍と警察、自警団が朝鮮人、中国人、社会主義者の日本人などを対象に、恐ろしい虐殺を犯した。その後、日本政府は事件を隠し、100年が経過した今でも、正確な虐殺の原因と犠牲者の規模は把握されずにいる。

 沈黙の共犯は韓国政府だ。歴史問題には目をとじたまま韓日関係改善に「全賭け」している尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権は、「虐殺100年」という重要な契機が設けられたにもかかわらず、真相究明と謝罪に対するいかなる要求も出さなかった。日本政府も「事実関係を把握することのできる記録が見当たらない」(松野博一官房長官)とするこれまでの立場を繰り返すだけだった。東京都の小池百合子知事は、歴代の都知事が毎年送付していた朝鮮人犠牲者のための追悼文を今年も送らなかった。鳩山由紀夫元首相は、在日本大韓民国民団が主催した犠牲者追悼式に参加した後、記者団の取材に「悪いことをしたことに対しては政府が責任を全うしなければならない」とし「それをできないということは遺憾だ」と述べた。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1106776.html韓国語原文入力:2023-09-02 00:56
訳M.S

関連記事