韓米日3カ国の首脳は18日(現地時間)、米大統領別荘のキャンプデービッドで発表した首脳会談共同声明(「キャンプデービッドの精神」)で、「我々は北朝鮮の完全な非核化に向けたコミットメントを再確認する」と明らかにした。ともに採択した「キャンプデービッド原則」でも、「北朝鮮の完全な非核化へのコミットメントの下で団結している」と宣言した。これは以前の「朝鮮半島の完全な非核化」という表現から大きく変わったものだ。「非核化」の範囲を「朝鮮半島」から「北朝鮮」に狭めたもので、重大な変化であり一方主義的な退行だ。
「北朝鮮の完全な非核化」はこれまで韓米、韓日首脳合意の文書には使われていなかった表現だ。3カ国首脳の初合意文書である「インド太平洋韓米日3カ国パートナーシップに関するプノンペン声明」(2022年11月13日)や、4月26日のワシントン韓米首脳会談共同声明には「朝鮮半島の完全な非核化へのコミットメントを再確認する」と明示されている。
実際「朝鮮半島の非核化」は国際社会の共有された目標だ。南北首脳合意(4・27板門店宣言、9月平壌共同宣言)、朝米首脳合意(6・12シンガポール朝米共同声明)、6カ国協議の9・19共同声明、国連安全保障理事会の対北朝鮮決議にいずれも明示された目標だ。ジョー・バイデン政権も2021年1月の発足以来、「朝鮮半島の非核化」を目標に掲げてきた。
にもかかわらず、なぜ「朝鮮半島の非核化」が「北朝鮮の非核化」に変わったのだろうか。バイデン米大統領が尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の用語を受け入れた可能性がある。尹大統領は2022年5月の就任以来、「朝鮮半島の非核化」ではなく「北朝鮮の非核化」が目標だと主張してきた。元政府高官は20日、「段階的・包括的アプローチによる北朝鮮との非核化交渉よりも、対北朝鮮抑止(deterrence)に焦点を合わせるという意味だ」と指摘した。
韓米日の対北朝鮮抑止の意志を強調した結果、北朝鮮との対話の意志を示すのは以前より弱まった。「キャンプデービッドの精神」でも「韓米日は前提条件なしに北朝鮮との対話を再開することに引き続きコミットしている」という文言のみ盛り込まれた。北朝鮮を対話と交渉の場に導く新しい提案は示されなかった。尹大統領とバイデン大統領は3カ国首脳会談後の共同記者会見で、北朝鮮との対話意志を明らかにしなかった。日本人拉致問題の解決などを求め、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と首脳会談の「早期実現を進める方針」を明らかにしてきた岸田文雄首相だけが「北朝鮮との対話の道が開かれている」と重ねて強調しただけだ。韓米首脳は沈黙し、日本首相が「対話」を強調する姿は前例のない風景だ。
3人の首脳は「キャンプデービッド原則」で「拉致問題、抑留者問題および帰還していない捕虜の問題の即時解決を含む人権・人道問題に取り組んでいく」と明らかにした。 これは今後も「人権」を前面に掲げた対北朝鮮圧迫が強まることを予告したものとみられる。
別の元政府高官は「表向きよりも韓米日の北朝鮮問題への集中力が著しく弱まっている」とし、「北朝鮮に一方的に要求し圧迫するだけでは問題を解決できない」と指摘した。