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ゆっくり朝鮮半島を縦断した台風6号…1人死亡、1人行方不明

登録:2023-08-11 08:33 修正:2023-08-11 08:40
10日、大邱市軍威郡孝令面並水里で台風6号の影響で河川堤防が流失。村が浸水し、消防救助隊が逃げ遅れた人がいないか確認している/聯合ニュース

 台風6号「カーヌン」が朝鮮半島を南端から南北に縦断した。10日午前9時20分ごろに慶尚南道巨済(コジェ)付近に上陸した台風6号は、慶尚道と忠清道を通過し、夜に首都圏を襲った。暑い海を通ることで多くの雨雲を育てた台風は、江原道高城(コソン)や慶尚北道慶州(キョンジュ)などに大雨を降らせ、10日夜半に軍事境界線を越えて北上した。この日の雨で、大邱(テグ)で1人が死亡、1人が行方不明になった。

 気象庁は午後3時、済州道を除く全国に台風警報を発表した。カーヌンは時速30キロで内陸地方を通過した。昨年上陸した台風11号「ヒンナムノー」の速度(時速40~60キロ)に比べると遅いが、台風の移動速度が遅くなると降水量が多くなり、強い風が持続するため、被害が大きくなることが知られている。

 雨は江原道の高城、束草(ソクチョ)などの嶺東(ヨンドン)地方と大邱をはじめとする慶尚道に集中した。10日夜8時30分までに江原道高城では383.7ミリの雨が降り、高城郡災害安全対策本部は住民避難命令を下した。江原道江陵市注文津(カンヌンシ・チュムンジン、277.5ミリ)、慶尚南道昌原(チャンウォン、261.1ミリ)、慶尚南道梁山(ヤンサン、258ミリ)にも200ミリを超える激しい雨が降った。江原道束草は午後3時5分ごろ、1時間当たり91.3ミリの「極限豪雨」に見舞われた。

 人命被害も発生した。10日昼12時33分ごろ、大邱市軍威郡孝令面不老里(クヌィグン・ヒョリョンミョン・プルロリ)では60代の男性Aさんが浸水した田んぼで心停止状態で発見された。午後1時45分ごろには達城郡嘉昌面上院里(タルソングン・カチャンミョン・サンウォンニ)から「電動車いすに乗っていた人が水に落ちた」という通報が入り、消防当局が捜索にあたっている。慶尚南道昌原では午前8時5分ごろ、雨による増水の圧力でマンホールの蓋が市内バスの床を突き破って水が噴き出す事故もあった。釜山(プサン)、大邱などでは道路や住宅の浸水、土砂崩れが発生した。

 台風の接近が退勤時間と重なった忠清道と首都圏では、一部の企業が帰宅途中の渋滞や交通規制による混雑を懸念し、早めの退勤を促した。ソウル市などは退勤時間に合わせて地下鉄とバスを増発した。

 中央災害安全対策本部の発表によると、10日午後6時現在、16市・道108市郡区で1万4153人が一時避難している。全国で1579校が休校、遠隔授業への転換、登下校時間の調整などの予防措置を取った。セマングムから撤収して全国に散らばった「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」の参加隊員たちは野外活動をすべて取り消し、公演・展示観覧、屋内体育活動、産業現場の見学などの屋内活動に切り替えた。

ソン・ジミン記者、全国総合 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/area_general/1103908.html韓国語原文入力:2023-08-10 21:23
訳D.K

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