大統領室は、日本政府による福島第一原発の汚染水海洋放出が国際安全基準を満たすとする国際原子力機関(IAEA)の発表翌日の5日、これを尊重するという態度を明らかにして発言を控えた。
大統領室はこの日、「IAEAの発表内容を尊重する」という内容とともに、国民の健康と安全が最優先であるため、沿海・近海の水産物の安全管理を強化するという内容の200字程度のメッセージを発表した。IAEAの報告書の詳細な内容に関する具体的な態度や対応策には言及しなかった。大統領室は、具体的な対応はIAEAと国務調整室を通じて行うことが適切だと判断したという。
大統領室関係者は本紙に「IAEAの発表は一次的には日本に関すること」だとしたうえで、「韓国の視察団が(5月に福島原発の現場に)行って検証した報告書も出していない状況で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が立場を示すことは適切ではない」と述べた。大統領室は尹大統領や大統領室のレベルでのメッセージを出すかどうかについて議論を繰り返したという。大統領室の態度は、福島原発汚染水の海洋放出に圧倒的に否定的な世論を意識したものとみられる。
大統領室は、尹大統領が7日に訪韓するIAEAのラファエル・グロッシ事務局長と面会する可能性についても、「日程上、難しい」と述べた。グロッシ事務局長は訪韓中、原子力安全委員会のユ・グクヒ委員長やパク・チン外相らと面会し、内容を説明するという。