野党第一党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表が8日、ケイ海明・駐韓中国大使と面談する。今回の対面は、韓国政界の様々な声を聞こうという趣旨で駐韓中国大使館が民主党に要請したことで実現した。
外交消息筋は6日のハンギョレの取材に対し、「ケイ海明中国大使とイ代表が8日に会う予定」とし、「韓中関係が悪化している中、韓国国内の様々な声を聞こうという観点からのものと理解している」と述べた。イ・ジェミョン代表側も「イ代表は8日にケイ海明大使に会う予定」だと述べた。
新任大使としての赴任や党代表への就任などの特別な契機がない状況で、駐韓中国大使が野党代表を表敬訪問するのは異例だという声があがっている。ケイ大使は3月28日に与党「国民の力」のキム・ギヒョン代表を表敬訪問しており、昨年11月7日にはイ代表に会っているが、いずれも代表への就任にともなうあいさつのための面談だった。
2017年8月には邱国洪駐韓中国大使が、当時の野党第一党であった「自由韓国党」のホン・ジュンピョ代表と面談している。ホン代表は面談翌日の最高委員会議で「韓中国交正常化25周年だが、今は韓中関係が非常に良くない方向へと向かっている」、「今後、北朝鮮の核やTHAAD問題の解決、韓中関係と韓米関係の行き詰まりを韓国党が解決する方法を探ってみる」と語った。
最近も韓中関係は行き詰まっているため、イ代表とケイ海明大使がどのようなメッセージを交わすかに関心が集まっている。
今年4月に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がロイターとのインタビューで「台湾問題は中国と台湾だけの問題ではなく、南北(の分断)問題のように世界的な問題」だと述べたことは、中国が主張する「一つの中国」原則を無視しているのではないかとの誤解を招いた。
これに対し中国政府は、先月22日に中国外務省の劉勁松アジア司長(アジア担当局長)を訪韓させ、韓国に対して台湾問題に介入しないことや、日米による中国封じ込めに深く同調しないことなど「4不可方針」を提示したという。ケイ大使も2日の済州フォーラムで「朝鮮半島と台湾問題を同一線上に置いて論じることは受け入れられず、台湾問題をグローバルイシュー化することも受け入れられない」と述べ、台湾問題を「核心利益」と考える中国の強硬な立場を再確認している。