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韓国の大統領秘書室長「原発汚染水以上のものが放出されても問題なかった」

登録:2023-05-25 06:41 修正:2023-05-25 07:22
キム・デギ大統領秘書室長が24日午後、国会で開かれた運営委員会全体会議で議員たちの質疑に答えている/聯合ニュース

 キム・デギ大統領室秘書室長が、福島原発汚染水の海洋放出をめぐる懸念の声について、「(2011年)福島原発事故が発生し、汚染水以上の様々なもの(放射性物質)が海に流れたが、韓国の水産物などに問題はなかった」と述べ、過度な側面があるという立場を示した。大統領室が日本の原発汚染水の海洋放出を擁護するような態度を示したことで、議論を呼ぶものとみられる。

 キム室長は24日、国会で開かれた運営委員会全体会議に出席し、「(福島原発事故から)10年が過ぎた。だが、韓国の海岸にも、水産物にも、どこを見ても問題はない」としてこのように述べた。原発汚染水が放出されても韓国側には問題がないという趣旨の発言だ。一方、キム・ヨンベ議員(共に民主党)は「(福島原発汚染水から検出された)65以上の核種のうち、多核種除去施設装備(ALPS)が現実的に濾過できるのは10種にも満たないという。だからこそ、日本がいま試料採取を拒んでいるのだ」とし、「海洋汚染水が人体に及ぼす影響については(まだ)確認されていない」と指摘した。

 キム室長は国際原子力機関(IAEA)の信頼性を問題視するペ・ジンギョ議員(正義党)の発言に対し、「IAEAが信頼できないなら、世の中に信じられるところはない」とも述べた。福島原発汚染水をめぐる国民の懸念を払拭するよりは、「科学的検証」を行っているとしてIAEAを信じるべきという趣旨の答弁を繰り返した。

 野党は同日の全体会議で、国家安保室関係者に対する米中央情報局(CIA)の盗聴の情況と関連しても、集中的に問題を提起した。チョ・テヨン国家安保室長は「米国側が大統領室を盗聴したようだが、これを認めるのか」というキム・ビョンジュ議員(民主党)の質疑に対し、「認めない」と答えた。チョ室長は「事実関係を把握してみると、事実ではない部分が多いことが明らかになった。盗聴なのか否かはもう少し把握してみないと結論を下せない」と説明した。

 チョ室長は同日の業務報告で「これからは相手の善意に頼る似非(えせ)平和ではなく、圧倒的な力による平和で未来世代が安心して夢を育んでいける堅固な安保を築いていく」と述べ、野党と舌戦を繰り広げた。民主党のキム・ビョンジュ議員が「なぜ自分たちを良く見せるために、過去(の政権)と軍をけなすのか。報告書に嘘を書いてはならない」と指摘すると、チョ室長は「(前政権に対して)似非平和だと報告したが、私はそう考えている」と答えた。すると野党側から「喧嘩を売っているのか」という怒鳴り声が飛び交う一幕もあった。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の夫人、キム・ゴンヒ女史の対外行動をめぐる質疑もあった。「第2付属室がないのにキム女史の日程はどこで担当し、動線を管理するのか」というキム・ビョンジュ議員の質問に、キム室長は「第2付属室はないが、付属室でキム女史を補佐するチームが4~5人いる」と答えた。尹大統領は大統領選候補時代、マスコミとのインタビューで「大統領夫人はただの家族に過ぎない。法外な地位を与える慣行は正しくない」とし、「配偶者を補佐する第2付属室を廃止する」と述べた。キム室長は「誰がキム女史にネットフリックス関連報告を行ったか」というユ・ジョンジュ議員(民主党)の質問に対し、「それはここで申し上げる事項ではない」としながらも、「私は(ネットフリックスについてもキム女史に)報告できると思う。大統領夫人だからといって、そのようなことに関心を寄せてはいけないはずはない」と述べた。これに先立ち、大統領室は先月、韓米首脳会談を控えてネットフリックス投資誘致過程で「コンテンツに関心の高いファーストレディ(キム女史)にも報告した」と明らかにし物議を醸した。

 同日の国会科学技術情報放送通信委員会(科放委)の全体会議では、韓国原子力研究院が15日に開いた記者懇談会で出た発言が俎上に上がった。 オックスフォード大学のウェード・アリソン名誉教授は、当時懇談会の専門家パネルとして参加し「処理された福島原発の汚染水が1リットルあれば、すぐに飲める」と発言し、議論を呼んだ。これ関する質問に対し、韓国原子力研究院のチュ・ハンギュ院長は「公式に言えば、(処理済みの)汚染水は飲用水の基準をはるかに超えるため飲んではならない」と述べた。

 与党の一部で提起された「汚染水の代わりに汚染処理水と表現しなければならない」という主張をめぐる質問も続いた。原子力安全委員会のイム・スンチョル事務処長は、「(福島原発の汚染)処理水は誤った用語なのか」と尋ねたチョン・チョンネ科報委委員長の言葉に「そうだ」と答えた。イム事務処長は「韓国政府では『汚染水』として使い続けている」「用語変更は検討したことがない」と付け加えた。以前、国民の力の「わが海を守る検証タスクフォース(TF)」委員長のソン・イルジョン議員は「ALPS(多核種除去設備)で濾過された汚染水の正確な用語は汚染処理水」と述べたことがある。

ソ・ヨンジ、ソン・ヒョンス、オム・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1093212.html韓国語原文入力:2023-05-25 01:22
訳H.J

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