韓国政府の「第三者弁済案」を受け入れた強制徴用被害者遺族が日本企業の株式に対する差し押さえと売却の申請を取り下げた。
強制動員被害者の故ヨ・ウンテクさんの遺族4人は4月27日、株式特別現金化売却命令申立てを審理する最高裁3部(主審:オ・ジュンソク最高裁判事)に取下書を提出したことが、15日に確認された。
3月、韓国政府は日本の加害企業の代わりに第三者の国内財団が賠償する第三者弁済案を示したが、ヨさん遺族はこれを受け入れたという。これに先立ち、外交部は4月14日までに最高裁確定判決被害者10人の遺族に判決金と遅延利子を支給すると発表した。国内財団から賠償金を受け取ると、加害企業である新日鉄住金(現日本製鉄)に対する債権がなくなるため、その後続手続きとして今回取下書を提出したものとみられる。
ヨさんはイ・チュンシクさん、シン・チョンスさん、キム・ギュスさんなど他の被害者3人と共に2012年最高裁で勝訴趣旨の破棄差し戻し判決を受けた。再抗告審を経て2018年の最高裁全員合議体で勝訴判決が確定する間に死去した。最高裁の最終判決にもかかわらず、日本製鉄が賠償命令に応じなかったことを受け、被害者と遺族は日本製鉄の韓国内資産であるPNRの株式8万1075株の差し押さえとともに、売却(現金化)を申し立てた。
このうち、株式特別現金化売却命令事件は最高裁で審理中だった。日本製鉄が再抗告しなかったため、遺族の申立てが最終的に受け入れられた差し押さえ命令事件に対してもヨさん遺族は取下書を提出した。