昨年の大統領選挙で「60~70代」と共に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に高い支持を集中させた「20~30代」が、尹大統領の就任からわずか1年で大きく離反していることが分かった。
文在寅(ムン・ジェイン)政権後半の進歩・改革勢力に対する失望から尹大統領を支持した青年層が、期待した議題設定能力が尹錫悦政権初期に見出せないことから、早々に支持をやめたと分析される。
ハンギョレが世論調査専門機関「グローバルリサーチ」に依頼し、4月29~30日にかけて全国の成人男女1011人に対して調査を実施したところ、尹大統領の国政運営を「支持しない」とした人の割合は、野党「共に民主党」の中心支持層である40代(74.7%)に次いで30代(70.6%)が最も高かった。
30代は昨年3月の大統領選挙で、地上波3社共同の出口調査で尹大統領に48.1%の票を集中させ、60~70代の高齢層を除くすべての年齢層の中で最も高い支持を示した世代だ。50代以下で尹大統領に対する支持が民主党のイ・ジェミョン代表(46.3%)より高かった唯一の世代でもある。
無党派層の割合が最も高い世帯も30代だった。全体では無党派層の割合は25.8%だが、30代では39.7%にのぼる。今年1月のハンギョレの世論調査で27.4%だった30代の無党派層の割合が、12.3ポイントも上昇したのだ。1月の調査と比較すると、30代における与党「国民の力」の支持層(32.2%)は5.3ポイント下落の26.9%、民主党支持層(32.2%)は6.9ポイント下落の25.3%だった。
30代は、文在寅政権前半期の2019年までは40代より文前大統領に対する支持率が高かったが、不動産が大きな問題となった2020年下半期から本格的に離反がはじまった。民主主義など政治問題に敏感な40~50代とは異なり、比較的経済問題に敏感な世代であると評価されている。
とりわけ今回の調査では、30代は尹錫悦政権の公正さについて、すべての年代の中で最も否定的に評価した。全体での否定的評価が61.8%であるのに対し、30代の否定的評価は75.1%にのぼる。中央大学社会学科のシン・ジヌク教授は「2021年の再・補欠選挙から大統領選挙までの1年あまりの時期に不動産問題で民主党に失望して保守に投票した人々が、民主党に対する信頼を回復できないまま尹錫悦政権に対する支持も早々に取り下げたと考えられる」とし、「特に国民の力のクァク・サンド前議員の『息子の50億ウォンの退職金』での無罪判決など、経済的公正問題に敏感に反応した可能性が高い」と指摘した。
前回の大統領選挙で、高齢層を除けば30代の次に尹大統領に多くの支持(45.5%、放送局の出口調査による)を寄せた20代が、現在の尹大統領の国政運営に対する評価が最も否定的なことも目につく。尹大統領の国政運営に対する肯定評価は、回答者全体では36.1%だったのに比べ、20代では20.2%のみ。20~30代の全般的な離反がみられる。
建国大学常虚教養学部のイ・グァンフ教授は、「20~30代は公正問題に敏感だが、現政権の成立後は政策的に『公正』が執行されてはおらず、むしろ尹大統領の発言をみれば公正ではなく60~70代の言語である『自由』が話題になっている」とし、「そのような部分で青年層の離反があったものとみられる」と語った。
<世論調査概要>
標本誤差:信頼水準95%±3.1ポイント
回答率:9.1%
抽出枠:3社から提供された携帯電話仮想(安心)番号
調査方法:電話面接調査
*詳細については中央世論調査審議委員会のウェブサイトを参照