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[コラム]共に民主党は反射利益にばかり頼っていてはならない

登録:2023-04-06 03:04 修正:2023-04-06 08:33
尹錫悦大統領と国民の力の不振に安心している場合ではない。固定支持層ばかりにしがみついたり反射利益に頼ったりしていては未来はない。民主党自らが革新し、信頼を回復しなければならない。まだ道は遠い。 
 
ソン・ハニョン|政治部先任記者
5日に国会で共に民主党が開催した「債務金利負担緩和立法懇談会」で、イ・ジェミョン代表をはじめとする民主党指導部が小商工人の発言を聞いている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 共に民主党は5日の非公開の最高委員会で、世論調査に表れている尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の民意離反現象を分析した。

 「中首青」(中道層・首都圏・青年層)の離反の流れが加速し、伝統的支持層とも言える70代以上、嶺南圏(慶尚道)の支持率もかなり下落する傾向にあるという。そのため、政府与党が支持率の下落を防ごうとして「固定支持層」にうけの良い極右的な動きをしている、というのが民主党の見方だ。

 民主党のパク・ソンジュン報道担当は「尹錫悦政権は以前の自由韓国党のファン・ギョアン代表体制、李明博(イ・ミョンバク)政権時代のパターンと類似している」と評した。

 民主党の診断は韓国ギャラップの世論調査の結果とも概ね一致する。韓国ギャラップの世論調査によると、2月最終週には尹錫悦大統領の職務遂行を「支持する」とした人の割合は37%、「支持しない」が56%だったが、3月最終週は「支持する」30%、「支持しない」60%となり、支持率は非常に悪化した。国民の力の支持率は37%から33%に下落した(中央選挙世論調査審議委のウェブサイト参照)。

 だが奇妙なことに、民主党の支持率はなかなか上がらない。2月最終週は34%、3月最終週は33%だ。変化がない。代わりに「支持政党なし」の無党派層が24%から29%に増えている。国民の力から離れた民意が無党派層へと移動したのだ。

 世論調査の政党支持率が恐ろしいのは、選挙結果を予測できるからだ。2016年の第20代総選挙で世論調査と実際の選挙結果が大きく食い違う事態が起きてから、技術的な補完がなされて精度が大幅に改善された。

 2020年の第21代総選挙直前の韓国ギャラップによる世論調査での政党支持率は、民主党41%、未来統合党(現・国民の力)25%、正義党5%だった。選挙の結果、「衛星政党」を合わせた議席数は民主党180議席、未来統合党103議席だった。

 韓国ギャラップの3月最終週の調査で、国民の力と民主党の支持率は33%で同率だった。今すぐ選挙を行えば、どちらが勝つか分からないということだ。

 3年前の第21代総選挙の結果を考えてみよう。民主党は首都圏の121選挙区のうち103選挙区で勝利。未来統合党は16議席にとどまった。民主党の圧勝だった。

 もし来年の総選挙で民主党と国民の力が首都圏の議席を半分ずつ分け合うことになったとしたら、どうなるだろうか。民主党は首都圏だけで、今より40議席ほど減る。これだけでも総選挙は民主党の敗北となる可能性が高い。

 しかも与党には「2030釜山(プサン)エキスポ・プレミアム」が残っている。1993年の大田(テジョン)エキスポ、2012年の麗水(ヨス)エキスポは認定博覧会だった。2030年のエキスポは登録博覧会だ。次元が違う。誘致すれば国の慶事だ。

 釜山はサウジアラビアのリヤドに後れを取っていたが、この間に追いついてきたため誘致の可能性がかなり高まっているという。開催地は今年11月の博覧会国際事務局の総会で選定される。誘致に成功すれば来年の4・10総選挙にもかなりの影響を及ぼすだろう。

 民主党の事情はどうだろうか。逮捕同意案の表決で明らかになった内部の確執は、最近の党役員改編を機に鎮静化しているようにみえる。ソン・ガプソク最高委員、キム・ミンソク政策委議長、ハン・ビョンド戦略企画委員長に対する評価は比較的悪くない。3人とも経験のある人たちだ。これからは実力を示さなければならない。

 イ・ジェミョン代表は4日、自身が委員長を務める基本社会委員会の「青年の最初の出発、小商工人の新たな出発と基本金融討論会」に出席した。

 「農耕社会、産業社会を経て福祉社会に至りました。福祉社会の次は、私たち構成員の基本的な生活が保障される基本社会でなければならないと思います」

 「すべての国民が最小限の金融の恩恵をみなで享受できる基本金融を政策課題としなければなりません」

 自身のブランドである「基本シリーズ」を継続しようとの動きのようだ。彼は、価値観と政策について語るのはうまい。

 しかし、イ・ジェミョン代表と民主党の将来は平坦ではないように思える。刀を握った検察がいつイ・ジェミョン代表の拘束令状を再び請求するか、追加起訴するか分からない。緊迫した中で進められる裁判は、それそのものが悪材料だ。

 党総体としての政策力量もまだまだ足りない。前回の大統領選挙で民主党に背を向けた20代と30代の男性有権者が戻ってくる気配はない。民主党に投票した20代と30代の女性有権者は、来年の総選挙でも民主党に投票するだろうか。

 尹錫悦大統領と国民の力の不振に安心している場合ではない。固定支持層ばかりにしがみついたり、反射利益に頼ったりしていては未来はない。民主党自らが革新し、信頼を回復しなければならない。まだ道のりは遠い。

//ハンギョレ新聞社

ソン・ハニョン|政治部先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/1086662.html韓国語原文入力:2023-04-05 17:13
訳D.K

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