共に民主党のイ・ジェミョン代表は10日、前日に死亡した自身の元秘書室長のJさん(65)の葬儀会場周辺で6時間以上待ってから弔問した。
イ代表はこの日午後7時43分ごろに城南(ソンナム)市立医療院斎場に到着した。暗い表情で車を降りたイ代表は「政治を離れてほしいという遺書内容が報道されたが、どう思うか」などと取材陣に問われ、何も言わずに斎場へと向かった。極右ユーチューバーたちがイ代表に対して「死神」と叫ぶ場面もあった。
斎場の内部はJさんの遺族の要請で報道機関には公開されなかった。遺族に慰めの言葉をかけたイ代表は、約20分後の午後8時5分ごろに斎場を出て車で立ち去った。弔問現場にいあわせた民主党のハン・ミンス報道担当は「本当に立派な公職者であり、清廉で有能な方だったのに、とても残念だという慰めの言葉を遺族に伝えた」と語った。続けて「遺族も弔問に感謝の意を表し、『代表もお気を落とさずに、無念な死が生じないようにしてほしい』と訴えた」と付け加えた。
「遺書にはイ代表に対して残念に感じていることが記されていたとする報道について言及はなかったのか」と記者に問われ、ハン報道担当は「そのようなものはなかった。今日の遺族との会話でも遺書についてそのような話はなかった」と語った。
イ代表は当初、この日午後1時ごろに弔問する予定だった。警察が「社会的に耳目が集まっている事件で、明確な死因を明らかにするための解剖が必要だ」として検察に解剖令状を申請し、これに遺族が強く反発したことで、葬儀の手続きに遅れが出た。検察が午後7時ごろに解剖令状を棄却したことで、イ代表の弔問もようやく実現した。イ代表は午後1時ごろに現場に到着して待機していたが、弔問は6時間あまり後になった。
イ代表はこの日午前の最高委員会議で「検察の過度な圧迫捜査のために生じたこと。このような検察の度を越した所業は到底許されない」と憤りをあらわにした。イ代表の京畿道知事在任時代の初代秘書室長を務めたJさんは、9日午後6時40分ごろ、京畿道城南市寿井区(スジョング)の自宅で遺体で発見された。