中国官営メディアが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の三一節(独立運動記念日)記念演説に対し、韓国の外交政策が「夢遊病の状態に陥った」と批判した。
中国官営の「グローバル・タイムズ」は2日付のオンライン版に掲載された記事で、日本を安保「パートナー」に位置付け、韓日協力を強調した尹大統領の三一節記念演説が韓国の国内世論の逆風にさらされていると報じた。同紙は「尹大統領が北朝鮮の核による脅威と世界的な様々な危機を克服するために韓米日3カ国の協力がいつにも増して重要になったと述べた」としたうえで、「韓国大統領が日本に対してこのように媚びを売る発言をしたのは異例のことだ。米国と日本の一部メディアはこれを日本との関係改善のジェスチャーだと肯定的に評価した」と報道した。
同紙はさらに「分析家たちによると、今回の演説は尹錫悦政権が外交政策で催眠にかかり夢遊病の状態に陥ったことを示している」とし、「中国の専門家たちは、韓国が外交政策において夢遊病から抜け出し、米国の人質になってはならないと警告した」と書いた。また「韓国は過去、中国と米国のバランスを維持することに関心を傾け、その戦略は多くの利益をもたらした」としたうえで、「韓国は北東アジアの複雑な状況で重要なプレーヤーにならなければならない。観察者たちは韓国がより安定した動きを見せるとともに、米国の人質にならないことを願っているという点を強調している」と報じた。
中国は昨年5月の尹錫悦大統領就任以来、韓国が米中間でバランスを取らず、米国に傾斜した外交を展開しているとして、不満を募らせている。これに加え、中国が今年に入って「ゼロコロナ」政策に切り替えた後、韓国が短期ビザ発給を停止する措置を取り、中国も同様の対抗措置を取るなど、互いに対する感情も大きく悪化した状態だ。
中国外交部の毛寧報道官は先月27日、パク・チン外交部長官がCNNとのインタビューで、武力による台湾海峡の現状変更に反対する立場を表明したことについて、「台湾問題は中国の内政であり、他人が口を挟むことは許されない」と述べた。また、外交問題における強硬な立場で知られる胡錫進前「環球時報」編集長は2日、中国のソーシャルメディア「ウィーチャット」のチャンネルに「韓国は自国の安全保障を米国の軍靴の中敷きにさせるな」という題名の書き込みを残した。