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韓国、屋内でのマスク着用義務解除…塾業界は「集団感染が起きたら大変」着用維持へ

登録:2023-01-30 02:23 修正:2023-01-30 07:56
「集団感染時、防疫の穴との烙印押される危険性」 
「マスクをして授業に出ること」公示も
昨年5月2日午前、ソウル西大門区のソウル金華初等学校で行われた体育大会で、子どもたちがマスクを外してリレーをしている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国で30日からは屋内でのマスク着用義務の解除により学校でマスクをしなくても良くなるが、塾や習い事の教室はなかなか解除に踏み切れずにいる。教室内で集団感染が発生した際の波紋を懸念しているからだ。当面、生徒たちは学校の教室ではマスクを外し、塾の講義室では改めてマスクをすることになる可能性が高い。

 中央防疫対策本部(防対本)は今月20日、30日から療養病院などの感染脆弱施設、医療機関・薬局、公共交通機関などの一部の施設を除き、屋内でのマスク着用義務を「勧告」に引き下げることを発表した。これにより、公共交通機関に分類される通学・通院バスに乗る場合を除けば、学校や塾の屋内でのマスク着用義務も解除される。しかし、政府指針とは関係なしに、鍾路学院、ETOOS教育などの大手入試予備校は、施設内でのマスク着用義務を自主的に維持する計画だ。鍾路学院のイム・ソンホ代表は29日、本紙の電話取材に対し、「これまでは防疫をうまくやってきたとしても、集団感染が一度でも発生すれば、防疫がきちんとできていない施設だとの烙印を押される危険性がある」とし、「特に受験生は入試を控えた特殊な状況にあるため、むやみに着用義務を解除するのではなく、新型コロナウイルス感染の拡大状況を見守ることにした」と付け加えた。大成学院はマスク着用を生徒の判断に任せるが、講義室を含む公共の場所ではマスクをするよう勧告することを決めた。

 各地域の塾も、政府の屋内でのマスク着用義務の解除に直ちに反応するというより、ひとまず距離を取っている様子がうかがえる。京畿道一山(イルサン)のある大規模英語塾は、生徒と保護者に屋内でのマスク着用義務の解除について特に公示はしない予定だ。同塾を経営するL氏(46)は「授業時間にたくさん話さざるを得ない講師たちは、引き続きマスクを着用してコロナの拡散を防止する予定」だとし、「生徒たちにマスクをつけるなと公示しない限り、保護者たちは自主的に子どもにマスクをさせるだろう」と語った。ソウル西大門区(ソデムング)、江北区(カンブック)、仁川松島(インチョン・ソンド)の英語塾は20日以降、自塾のブログに「マスクを着用しないと授業には参加できない」、「講師と生徒が密着して多くの言葉を交わすため、引き続きマスクをして授業を行う」などと公示している。韓国塾総連合会はこの日、所属する塾に対し、今後2週間は屋内でのマスク着用を続けるよう勧告した。韓国塾総連合会のイ・ユウォン会長は「感染者の発生状況を見守り、2週間後に(マスク着用解除の是非を)改めて議論する計画」だと語った。

 このように塾が集団感染の危険性などを理由としてマスク着用義務を維持していることから、生徒と保護者の混乱も当面は続くものとみられる。新たな防疫指針が発表された20日から現在までの間に、地域の母親たちのオンライン・コミュニティには、塾の屋内でのマスク着用指針について問う書き込みが増えている。一部の保護者からは、日常回復に向けた努力に塾は歩調を合わせていないとの批判も出ている。高校2年生の子を持つソウル地域の保護者ソン・ソンナムさん(52)は、「今の子どもたちはマスクをすることに慣れすぎており、マスクをまるで服の一部のように感じているため、着用義務が解除されても、あまり外したがらない」とし、「コロナが生活の奥深くにまで入り込んでいる中、日常を取り戻し、子どもたちがマスクから少しでも自由になるためには、政府だけでなく塾も共に努力すべきだ」と語った。

キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1077353.html韓国語原文入力:2023-01-29 15:09
訳D.K

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