日本は朝鮮人労働者が強制動員された佐渡鉱山のユネスコ世界遺産への登録を申請したのに続き、外相が年次演説で独島(ドクト)について「日本固有の領土」と主張した。韓日間に山積する悪材料が次第に水面上に浮かび上がりつつある中、両国政府は日帝強制動員問題についての交渉を急いでいる。
日本の林芳正外相は、23日に始まった通常国会での外交演説で「竹島(日本が主張する独島の名称)は歴史的事実に照らしても、国際法上も日本固有の領土」と主張した。岸田文雄現首相が外相だった2014年の外交演説で主張して以来、10年にわたって日本の外相が同じ発言を繰り返しているのだ。
これに対し外交部は同日午後、イム・スソク報道官名義の声明を発表し、その中で「日本政府は、独島に対する不当な主張を繰り返すことは未来志向的な韓日関係の構築に何ら役立たないということを、明確に自覚しなければならない」とし、発言を直ちに撤回するよう求めた。
日本は佐渡鉱山のユネスコ世界遺産への登録にも力を入れている。林外相は日帝強占期(日本の植民統治時代)の朝鮮人強制労働の現場である新潟県の「佐渡島の金山」のユネスコ世界遺産への登録について、「しっかりと役割を果たして」いくと述べた。日本政府は19日(現地時間)、フランスのパリにあるユネスコ世界遺産センターに、佐渡島の金山を来年世界遺産に登録するための正式な推薦書を提出したが、これを成功させると外相が再確認したのだ。
2月からは国内世論を刺激する数々の事案が控えている。今年上半期だけでも、日本の「竹島の日」(2月22日)行事▽文部科学省による教科書検定結果の発表(3月)▽靖国神社春季例大祭(4月)▽福島第一原発汚染水放出(上半期中)などが待っている。
各種の悪材料の存在にもかかわらず、韓日両国は強制動員問題の交渉を急いでいる。外交部アジア太平洋局のソ・ミンジョン局長と日本の船越健裕アジア大洋州局長は16日に東京で対面したのに続き、今月末ごろにはソウルでの局長級協議が予定されている。通常は月に一度行われていた局長級協議の周期の早まりは、強制動員の解決策をめぐる両国の大詰めの調整が加速していることを意味する。政府は日本企業に代わって日帝強制動員被害者支援財団が「第三者弁済」方式で賠償する方策を、被害者の反発の中で推進している。
大統領室は、早ければ来月中に強制動員問題をまとめ、韓日関係の正常化、韓日首脳によるシャトル外交の復元などに積極的に取り組む方針だ。大統領室の高官は本紙に対し、「(歴史問題の解決は)早ければ早いほど良い」とし、「水が入ってきており、こぐ準備ができつつある。実務レベルで懸案調整のために努めて会い続けているところ」だと語った。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の訪日時期も早ければ来月、遅くとも5月が有力。日本政府は今年5月に広島で行われる主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)に尹大統領を招くことを検討しているという。
国立外交院のキム・ジュンヒョン元院長は本紙の電話取材に対し「佐渡鉱山のユネスコ世界遺産指定や歴史教科書問題などは予定されているものであるため、韓国世論を考慮して両国はこうした事案に対する批判の高まりを調節すると同時に、強制動員交渉の時期も調整していくものとみられる」と述べた。