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韓国の20代女性、同年代の男性より憂うつ感強い…日常の中の性差別で

登録:2022-12-23 02:31 修正:2022-12-23 07:56
自宅、職場、学校などの日常生活空間で差別を受けた青年女性の方が、同じく差別経験のある青年男性よりも憂うつ感や不安を強く感じているとする調査結果が発表された=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 自宅、職場、学校などの日常生活空間で差別を受けた青年層のうち、女性の方が男性よりも憂うつ感や不安を強く感じているとする調査結果が発表された。

 ソウル市女性家族財団が最近発行した「ソウル市女性家族政策レビュー」に掲載されているアンケートの結果によると、差別経験のある20代女性の憂うつ感の度合いは平均で7.93点であるのに対し、差別経験のある同年代の男性の憂うつ感の度合いは平均で6.57点だった。アンケートは4月13日から19日にかけて、ソウルに住む416人(女性217人、男性199人)の20代の市民に対して実施された。憂うつ感の度合い(0~27点)、不安の度合い(0~21点)、経済活動への参加の有無、日常生活での差別経験の有無などが調査された。

 不安の度合いも20代女性の方が強かった。日常生活で差別を経験したと答えた女性の不安度は平均6.29点であった一方、差別経験のある男性の不安度は平均5.20点だった。

 差別経験も女性の方が多かった。「職場」で差別を経験した男性の割合は41.3%、「全般的な日常生活」では37.2%だったのに対し、女性の割合はそれぞれ65.0%、65.9%だった。学校で差別を受けた割合も男性は30.5%だったが、女性は46.2%だった。

 若者を取り巻く経済的条件をみると、経済活動への参加率は女性(71.9%)の方が男性(62.3%)より高かった。しかし、賃金の額は男性より低かった。月平均の個人所得が200万~300万ウォンの人の割合は女性が42.3%、男性が29.8%だった。だが月平均の個人所得が300万ウォン以上の人の割合は男性が35.5%、女性が27.6%だった。最近の経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、昨年のOECD加盟38カ国の性別による賃金格差の平均は12.0%で、韓国は31.1%で最も大きかった。韓国は1996年のOECD加入以来、26年連続で同指標の最下位。

 ソウル市女性家族財団のイ・ジェギョン研究委員は「性別による賃金格差は女性と男性の雇用形態の違い、女性が主に雇用される職種の賃金水準の低さなどが反映された結果」だとし、「職場内での差別経験は20代女性のストレスを高め、こころの健康に否定的に作用する恐れがある」と説明した。イ研究委員は続けて「20代女性のこころの健康には労働環境などの社会構造的要因が影響を及ぼすことが確認された」とし、「安全な社会環境作りに向けたきめ細かな支援策が必要だ」と付け加えた。

オ・セジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/1072648.html韓国語原文入力:2022-12-22 07:00
訳D.K

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