本文に移動

韓国の教授たちが選んだ今年の四字熟語は「過而不改」

登録:2022-12-11 19:54 修正:2022-12-12 09:00
「過ちを犯しても改めない」の意味 
「与野党ともに過ちが明らかになっても他人のせいにして改めようとしない」
梨泰院惨事から6日目の11月3日、尹錫悦大統領がイ・サンミン行政安全部長官(左)、キム・デギ秘書室長(中央)とともにソウル広場に設けられた合同焼香所に移動している/聯合ニュース

 韓国の教授たちが選択した今年の四字熟語は「過而不改」だった。「過ちを犯しても改めない」という意味で、全国大学教授アンケート調査で圧倒的1位を占めた。

 「教授新聞」は11日、11月23日~30日にマクロミル・エムブレインを通じて実施した電子メールのアンケート調査に回答した全国の大学教授935人のうち、476人(50.9%)が「過而不改」を選択したと報道した。同紙は「今年新政権が発足したが、希望と期待は最初だけだった」とし「キム・ゴンヒ女史の博士学位論文検証をはじめ、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の米国での卑語発言問題、そして人災で発生した梨泰院惨事(10月29日)まで、きちんとした釈明と謝罪はなく、過ちを犯しても改めない行動が国民を不安にさせている」と報じた。

 教授新聞の22回目となる今年の四字熟語は、12人の推薦委員団が四字熟語22個を推薦し、予備審査団の審査で5個を選定し、さらに全国教授アンケート調査を経て選定された。次点以下は「欲蓋弥彰(隠そうとすればするほど露呈すること、14.7%)、「累卵之危」(卵をいくつも積み上げたような不安定で危うい状態、13.8%)、「文過遂非」(過誤をもっともらしく飾り誤った行為に順応すること、13.3%)、「群盲撫象」(視野の狭い者たちが各々の観点から理解したことを述べ、物事の本質が見失われること、7.4%)が2~5位を占めた。

 1位に選ばれた「過而不改」は、驪州大学のパク・ヒョンモ教授(世宗リーダーシップ研究所所長)が推薦した。パク教授は「韓国の与党も野党も、誤りが明らかになると『前政権はもっと過ちを犯した』とか『大統領のせい』と言って改めようとしない」とし「そのような中で、梨泰院惨事のような事故が発生しても責任を負おうとする政治家が出てこない」と推薦の理由を話した。パク教授はまた「朝鮮王朝実録を調べてみると、過ちを直して良い方に移った事例がいくつもあった。世宗は人を誤って任命し外交的な恥さらしになった時、『人を誤って送ったことを深く後悔する』と述べ、事前に予防措置を取らなかったために疫病で咸鏡道の民が多く死んだことに対しても『大いに後悔する』と述べた」とし、世宗大王が聖君になった契機が後悔と改善ににあったという例を用いて説明した。

 「過而不改」を選択した教授たちの選定理由は様々だった。アンケートに答えた60代の人文学教授は「多くの人が間違っていると言っているのに、それを認めようとしない」として「認めないので謝罪する理由がなく、その結果改める必要もない(と思っている)」と批判した。別の教授たちも「現在の与野党政界の行動は、民生はなく党利党略に陥り、国の未来発展より政争ばかりを前面に押し出している」(40代・社会)、「与党が野党になった時も野党が与党になった時も全く同じ」(60代・芸術・体育)などの理由をあげ、韓国政治の後進性と器の小さい政治を批判した。「過而不改」の解決策としては、「立法、行政にかかわらずリーダーの本質は過ちを改め、再び過ちを犯さないよう率先垂範する姿勢、心を空(から)にする姿勢にある(60代・社会)」 、「他人のせいにせず自分のせいにする(60代・医薬学)」、「自らを省察する韓国社会(50代・人文学)」 などを提示した回答が多かった。

 「過而不改」は『論語』の「衛霊公篇」に初めて登場する。孔子は「過而不改・是謂過矣」、すなわち「過っても改めないこと、これを過ちという」と言った。また、朝鮮王朝実録にも繰り返し出てくる。例えば、「燕山君日記」の3年6月27日付では、燕山君が小人を使うことに対して臣下たちが反対したが、過ちを改めることをはばかって直さなかったことを批判した。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1071091.html韓国語原文入力:2022-12-11 15:22
訳J.S

関連記事