梨泰院(イテウォン)惨事以後、トラウマの症状を訴え、心理相談を受けた人々の半分近くがメディアなどを通じて惨事を「間接的に目撃」したことが分かった。また、相談を受けた10人のうち8人は20~30代で、犠牲者と同年代の衝撃が大きかったものとみられる。
韓国心理学会と国民の力のソ・ジョンスク議員室は1日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で「災害状況でのトラウマ克服のための心理支援政策討論会」を開き、この1カ月に行われた梨泰院惨事関連心理相談の現況を発表した。
心理相談支援は惨事発生翌日の10月30日から11月26日まで221人を対象に行われた。 相談は学会所属のボランティアによって無料で進められた。1カ月間、電話や対面、メタバースなどで1対1の相談を受けた市民221人のうち101人(46%)は、メディアなどを通じて梨泰院惨事を間接的に目撃した人たちだった。惨事を直接目撃した人は71人(32%)で、惨事を直接経験し、負傷や死の脅威を感じた人は19人(9%)だった。さらに惨事で死別を経験した人(11人・5%)や惨事被害者の知人および助力者(10人・4%)などが相談に訪れた。
相談を受けた市民10人のうち8人は20~30代だった。来談者のうち20代と30代がそれぞれ48%、35%で、計83%を占めていた。犠牲者と同年代の若年たちの心理的衝撃が大きかったものとみられる。韓国心理学会のチェ・ヒョンジョン災害心理委員長(忠北大学心理学科教授)は「若い世代でない場合、子どもや孫を亡くした親や祖父母が相談を申請した場合があった」と説明した。性別で見ると、女性が相談を受けた割合が76%で、男性は20%だった。4%は性別が確認されていない。
惨事を直接目撃した人たちは、現場の記憶が繰り返し頭に浮かび、罪悪感と悪夢に苦しんでおり、人が多い時や街でサイレンの音が聞こえると深刻な恐怖を感じるなどの症状を多く訴えたという。間接的な目撃者たちも喪失感や罪悪感、国家が自分を守ってくれないという不信感、希望が持てないなどの反応を示したという。チェ委員長は「死別を経験した方々は圧倒的な喪失感や混乱、情緒不安定などを訴えた」と話した。
安定的な心理支援の必要性も提起された。チェ委員長は「3カ月~2年を『亜急性期』(急性期と慢性期の間の急激ではない病気の進行段階)と定義し、この時に十分な回復環境が整えられなければ心的外傷後ストレス障害(PTSD)のように病状が慢性化する恐れがある。トラウマ専門心理士の心理支援が必要な時期」だと指摘した。