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北朝鮮の「怪物ICBM」火星17型、2段目の推進体分離に成功

登録:2022-11-04 07:28 修正:2022-11-04 10:43
3段目の推進体分離は失敗 
3月の発射時には推進体分離に失敗
北朝鮮は今年3月24日、新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星17型の発射実験を断行したと翌日(3月25日)明らかにした/聯合ニュース・朝鮮中央通信

 北朝鮮が3日に発射した長距離弾道ミサイルは、大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「火星17型」である可能性が高いことが分かった。このミサイルは、マッハ15の速度で約760キロメートル飛行し、最高高度は1920キロメートルと探知された。北朝鮮は正常発射角より高い高角発射により、飛行距離を縮めたものとみられる。火星17型は、正常な角度(30~45度)で発射した場合、射程距離は1万5000キロメートル以上になるといわれている。米国本土全域をはじめオセアニアなど主要大陸の一部をすべて射程範囲内に収めることが可能だ。

 火星17型が初めて姿を現わしたのは、2020年10月10日、北朝鮮労働党創建75周年の軍事パレードの時だ。11軸22輪の巨大な移動式ミサイル発射台(TEL)に載せられ登場した火星17型は、長さが22~24メートルと推定され、世界で最も長い「怪物ICBM」という別名を得た。火星17型は、核弾頭2~3個が入る多弾頭搭載形状で開発されている。理論上では、目標の上空で弾頭が分離した場合、米国ワシントンとニューヨークを同時に攻撃することが可能だ。

 北朝鮮は、この日の発射を通じて、一定部分の技術的進展を達成したと評価されている。韓国国防研究院のシン・スンギ研究委員は「ミサイルがマッハ15まで速度を出したことは、1段目の推進体と2段目の推進体がそれぞれ分離に成功し、正常な推進力を得たという意味」だとしたうえで、「これに先立ち、北朝鮮が3月16日に発射した火星17型は、高度20キロメートル未満の発射初期段階で爆発し、推進体の分離に失敗した。今回は2段目の推進体の分離まで成功し、一定の技術進展を達成した」と述べた。

 ただし、3段目の推進体を含む弾頭部が正常飛行をする段階には至らなかった。ICBMは3段目の推進体の分離まで成功すれば、その後はマッハ20以上の速度で飛行し、標的を攻撃する弾頭分離が行われる。

 火星17型と推定されるミサイルは同日、3段目の推進体の分離に失敗したため推進力を確保できないまま、速度を落として東海(トンヘ)に落ちた可能性があるという。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1065641.html韓国語原文入力:2022-11-04 02:45
訳M.S

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