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北朝鮮、東海のNLL以南にミサイル…鬱陵島に一時空襲警報発令

登録:2022-11-03 09:48 修正:2022-11-03 10:33
北朝鮮、4回にわたり13カ所で発射 
韓国空軍、北朝鮮の公海上に対応射撃
2日午前、韓国空軍の戦闘機F-15KからNLL以北に精密空対地ミサイル「SLAM-ER」を発射する場面= 合同参謀本部提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が2日、東海(トンヘ)と西海(ソヘ)にミサイル25発を撃ち、このうち1発が北方限界線(NLL)を越え、鬱陵島(ウルルンド)に一時空襲警報が発令された。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は「北朝鮮の挑発は分断後初めてNLLを侵犯して行われたミサイルによる実質的な領土侵害行為」だとし「北朝鮮の挑発が明らかな代価を払うよう、迅速に厳正な対応を取るよう」指示した。韓国軍は戦闘機を出撃させ、東海のNLL以北の公海上に空対地ミサイル3発を発射する対応射撃を行った。

 軍当局の説明を総合すると、北朝鮮は同日午前6時51分に4発、午前8時51分に3発、午前9時12分に12発、午後4時30分に6発と計4回にわたり13カ所で短距離弾道ミサイルと地対空ミサイルなどを含む様々な種類のミサイル25発を、東海・西海に発射した。8時51分に発射されたミサイル3発のうち1発は東海のNLLを26キロ超え、江原道束草(ソクチョ)から東へ57キロ離れた公海上に落ちた。北朝鮮は過去、西海のNLL以南に海岸砲と放射砲(多連装ロケット砲)を発射したことはあるが、北朝鮮ミサイルがNLLを越えたのは分断後初めて。北朝鮮はまた、午後1時27分、9・19南北軍事合意に違反し東海の海上緩衝区域に約100発の砲兵射撃を加えた。北朝鮮は韓米が先月31日から今月4日まで実施している合同空中演習「ビジラントストーム」を今回のミサイル発射の理由として挙げている。

 NLLを越えてきた北朝鮮の短距離弾道ミサイルは、韓国領海(陸地基準線から約22キロメートル)外だった。このミサイルは190キロメートル飛行し、鬱陵島の西北167キロメートルの海上に落ちた。これに対し、午前8時54分ごろ、鬱陵島に空襲警報が発令された。軍関係者は「NLLを越えたミサイルの直線距離飛行方向は鬱陵島を正確に向いてはいなかったが、軍当局が最初に捉えた時には鬱陵島がミサイル進行方向にあり、国民の安全確保のため空襲警報を下した」と話した。北朝鮮の弾道ミサイルで空襲警報が鳴ったのは、2016年2月7日、北朝鮮の長距離ミサイル発射で西海の白ニョン島(ペンニョンド)、大青島(テチョンド)地域に空襲警報が発令されて以来6年9カ月ぶりだ。

 尹大統領は緊急国家安全保障会議(NSC)を主宰し、「韓国社会と韓米同盟を揺さぶろうとする北朝鮮のいかなる試みも通用しない」とし、軍当局の厳正な対応を強調した。このため午前11時10分、空軍の戦闘機F-15KとKF-16が東海のNLL以北の公海上に、北朝鮮の主要標的を精密打撃するSLAM-ERなど空対地ミサイル3発を発射した。韓国軍がNLL以北にミサイルを発射したのは今回が初めて。

 北朝鮮はまた、同日未明、軍事政策を総括する北朝鮮労働党中央軍事委員会のパク・ジョンチョン副委員長の談話を通じて、「これ以上の軍事的客気と挑発を容認することはできない」として「恐ろしい代価」に言及し、韓国に対する圧迫の強度を高めた。

クォン・ヒョクチョル、キム・ミナ、シン・ヒョンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1065501.html韓国語原文入力:2022-11-03 02:40
訳C.M

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