「裁判長が文書を提出しなかった理由を尋ねると、国民大学の代理人は『よく分からない』と答えた。裁判所が『文書提出を命じたのに』と述べつつ呆れて失笑したという記録がある。このような内容をご存じか」(共に民主党のクォン・チルスン議員)
21日の国会法制司法委員会(法司委)による在京地裁などに対する国政監査では、大統領夫人のキム・ゴンヒ女史の論文に対する検証がずさんだったとして国民大学の卒業生たちが同大学を相手取って起こした訴訟についての質疑も行われた。
ソウル南部地方裁判所民事11単独のイ・ジュング判事は、国民大学同門非常対策委員会が学校法人国民学院を相手取って起こした損害賠償請求訴訟を審理している。この訴訟は、昨年9月に国民大学がキム女史の博士学位論文研究不正疑惑に対する予備調査を実施し、その後、検証時効が満了したとの理由で本調査には着手しないとの結論を下したことに対し、国民大学同門非常対策委員会が「卒業生の名誉が毀損された」として昨年11月に起こしたものだ。
同門非常対策委は、昨年6月の国民大学研究倫理委員会予備調査委員会の会議録に対する文書提出命令を申し立てた。大学側がキム女史の論文に対して本調査を実施しないと意思決定した過程を確認するという趣旨だった。裁判所は原告の要請を認めて大学側に文書提出を命じたが、大学は裁判所の命令に応じておらず、明確な理由も明らかにしていない。
民主党のクォン・チルスン議員はこの日の国政監査で、ソウル南部地裁のキム・ヨンチョル所長に対し、先月15日に行われたこの事件の裁判で「国民大学側の代理人が文書を提出しない理由は分からないと答えた」ということを知っているかと尋ねた。これに対しキム所長は「報道された内容は知っている」と答えた。続いてクォン議員が「この報道は事実ではないのか」と再度尋ねると、キム所長は「事実かどうかの判断は難しい。ただ、報道された内容は知っている」と述べた。
クォン議員は「一度確認してみてほしい」とキム所長に述べた後、キム・ゴンヒ女史の論文の問題を指摘するために準備してきた発表資料を提示した。クォン議員は「キム女史の論文は様々なメディアが報道した記事を、出典を明らかにせずにそのまま書き写した部分が多い。ブログやウェブページの内容を組み直したケースもあり、大学生が課題をする時に参照用に購入するハッピーキャンパス(大学生のレポート対策用知識共有サイト)の資料を書き写した部分もかなりある」と語った。続いて「キム女史の論文は、論文としての価値を認めるのは難しい。国民大学でもどのような経緯で調査しないと決めたのか、必ず確認すべきだ」と要求した。