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ソウルの街中で…またしても女性がストーカーによって殺害

登録:2022-09-16 02:05 修正:2022-09-16 07:15
2019年から300回以上電話やメッセージ送り付け 
裁判所による拘束令状棄却後、被害者が身辺保護要請 
加害者、交通公社職位解除後に話し合い要求も
ソウル地下鉄2号線の新堂駅の女子トイレで駅員が男に殺害された。事件翌日の15日午後の事件現場前=シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 ソウル地下鉄2号線の新堂(シンダン)駅を巡回していた女性駅員を、普段からストーキングしていた職場の同僚が殺害する事件が起こった。被害者をストーキングした疑いなどですでに在宅起訴されていた容疑者は、裁判所での判決を翌日に控えてこのような犯行に及んだ。一方的な電話、違法撮影、脅迫、ストーキングなどの凶悪犯罪の予兆が数年間続いていたにもかかわらず、拘束令状が一度棄却された後も加害者との分離処置などはきちんと行われていなかった。

 ソウル中部警察署は15日、ソウル交通公社職員のJ容疑者(31)に殺人容疑を適用し、拘束令状を請求した。警察の調査によると、J容疑者は14日午後8時56分ごろ、新堂駅構内を巡回していた被害者のAさん(28)が女子トイレを見に入ったのを見て自分も入ってゆき、凶器を振り回した。Aさんはトイレに設置されていた非常ベルを押して駅務室に通報し、出動した駅員と居合わせた市民が協力して現場でJ容疑者を取り押さえた。Aさんは近くの国立中央医療院に運ばれたが、同日午後11時31分に死亡した。

 J容疑者とAさんは共に2018年にソウル交通公社に入社した。ただし2人が同じ場所で勤務したことはないという。Aさんが亡くなる前にAさんを弁護していたミン・ゴウン弁護士は「入社後の2019年からJ容疑者のストーキングが始まった。300回以上電話をかけたりメッセージを送り付けたりした」と語った。犯行時もJ容疑者は凶器をあらかじめ準備し、女子トイレの近くで1時間以上Aさんを待っていたことが調査で分かった。

 J容疑者は昨年10月初め、Aさんを違法に撮影し脅迫した疑い(性暴力処罰法違反)で緊急逮捕されている。当時、Aさんの告訴状を受け取った警察はJ容疑者の拘束令状を請求したが、ソウル西部地方裁判所は「住居が一定で証拠隠滅および逃走の恐れがない」として棄却している。この時、Aさんは1カ月間、警察の犯罪被害者安全措置(旧身辺保護)を受けた。その後、警察は特異事項がないと判断し、Aさんも延長を望まなかったため身辺保護は終了したという。警察の関係者は「安全措置の終了時点でも危険性が継続的に存在すれば(延長を)再審議できるが、被害者が望まなかったため(留置場での留置のための)暫定措置、スマートウォッチ支給、連携パトロールなどの別の措置は取られなかった」と語った。

 その後、職位解除されたJ容疑者は、Aさんに連絡して複数回にわたって話し合いを要求したという。Aさんは1月末、J容疑者をストーキング処罰法違反で追加で告訴しており、J容疑者の一審判決公判は15日にソウル西部地裁で行われる予定だった。

 殺人容疑でJ容疑者の拘束令状を請求した警察は、さらなる捜査のうえ、罪名を特定犯罪加重処罰法の報復犯罪に変更することを検討している。

 Aさんの遺族は「大韓民国の首都であるソウル市内の真ん中でこのようなことが起きたというのはとんでもないこと。制服を着た職員が勤務地でこのような襲撃にあったというのは信じられない。女性を保護する努力が本当に必要だ」と述べた。

チャン・イェジ、コ・ビョンチャン、パク・スジ、チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1058782.html韓国語原文入力:2022-09-15 17:52
訳D.K

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