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光復節、尹大統領の空虚な祝辞…北朝鮮・日本が呼応する可能性薄

登録:2022-08-16 02:16 修正:2022-08-16 09:18
北朝鮮には「大胆な構想」、日本には「力を合わせていくべき隣国」
尹錫悦大統領が15日、ソウル龍山の大統領室の芝生広場で行われた「77周年光復節慶祝式」で祝辞を述べている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は15日、77周年光復節の祝辞で、北朝鮮の核開発の中止と実質的な非核化を前提とした、大規模な食糧供給と社会基盤施設の支援などを盛り込んだ「大胆な構想」を北朝鮮に提案した。未来と時代的使命を強調した韓日関係の改善も掲げた。しかし、北朝鮮に対する提案は非核化についての包括的な合意を前提条件としているため、北朝鮮が受け入れる可能性は低く、対日問題はアプローチを省略しているため具体性に欠けるという批判の声があがっている。

 尹大統領はこの日、ソウルの龍山(ヨンサン)大統領室の芝生広場で行われた光復節慶祝式で、「北朝鮮の非核化は朝鮮半島と北東アジア、全世界の持続可能な平和に欠かせないものだ」とし、「北朝鮮が核開発を中止し、実質的な非核化へと転ずるなら、その段階に合わせて北朝鮮の経済と民生を画期的に改善しうる大胆な構想を今この場で提案する」と述べた。尹大統領は、北朝鮮の鉱物、レアアースなどの地下資源と食糧、生活必需品の供給を連係させる食糧供給支援▽発電・送配電インフラの支援▽国際貿易のための港湾と空港の現代化プロジェクト▽農業生産性向上のための技術支援▽病院・医療インフラの現代化支援▽国際投資および金融の支援の6つを提案した。

 大統領室は、包括的な非核化合意が導き出されるなら、南北共同経済発展委員会を設立し、非核化合意に至っていない状態でも、国連の北朝鮮に対する経済制裁の部分的緩和も議論しうると付け加えた。

 しかし尹大統領がこの日言及した対北朝鮮ロードマップ「大胆な構想」は、非核化を前提とした「経済協力」を強調したという面で、李明博(イ・ミョンバク)政権の「非核・開放・3000」と大きな違いはないうえ、このところ強硬な対南基調を宣言している北朝鮮が呼応する可能性も薄いという観測が出ている。北朝鮮の望む安全保障に関する提案も含まれていない。これについて、キム・テヒョ国家安保室第1次長はブリーフィングで「政治・軍事部門の協力ロードマップも準備してある」とし「軍事分野では緊張緩和に向けた諸措置が信頼構築段階へと、政治分野では平和構築に向けた諸措置が平和定着段階へと至らなければならない」と述べた。

 尹大統領は祝辞で、南北問題の前に韓日問題に言及し、積極的な改善の意志を示した。尹大統領は、1998年の「金大中(キム・デジュン)-小渕共同宣言」を語りつつ、「日本は世界市民の自由を脅かす挑戦に立ち向かい、共に力を合わせていくべき隣国だ。韓日関係が普遍的価値を基盤として両国の未来と時代的使命へと向かってゆく時、歴史問題もきちんと解決されうる」と述べた後、「韓日関係を急速に回復、発展させる」と述べた。

 しかし、両国が対立する強制徴用賠償判決問題や日本軍慰安婦被害者問題などの敏感な内容には言及しなかった。1965年の韓日請求権協定によってすべての事案は最終的に解決済みという日本政府の態度に変化はない。

 一方、尹大統領は祝辞で、人事・政策の乱脈ぶりによる国政支持率の低さや刷新、野党との協治などについては触れなかった。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1054788.html韓国語原文入力:2022-08-15 17:10
訳D.K

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