仁川(インチョン)の松島(ソンド)干潟に生息する渡り性水鳥の個体数が、わずか1年で2万3511羽減少したという調査結果が発表された。
環境団体「クロツラヘラサギと仲間たち」が仁川市と「東アジア・オーストラリア地域フライウェイ・パートナーシップ(EAAFP)」の依頼を受けて作成し、1日に発表した「松島干潟(ラムサール条約湿地)のクロツラヘラサギなどの渡り性水鳥定期調査最終報告書」によると、2021年6月から2022年5月にかけて松島干潟で観測された渡り性水鳥は10万2691羽。2020~2021年の観測値12万6202羽に比べて2万3511羽減っている。渡り鳥の生息地である松島干潟は国際的に重要性が認められ、ラムサール条約湿地に登録されている。
シギ科の水鳥が同期間に5万5081羽から3万4758羽へと2万323羽減少していた。最も多い個体数の減少だ。ウ科が2176羽、トキ科が1373羽、チドリ科が899羽、サギ科も820羽減少した。
「クロツラヘラサギと仲間たち」は、今年初めから始まった松島10工区の埋め立てが渡り性水鳥の個体数減少の原因だと分析する。松島10工区は松島干潟において渡り性水鳥の休息地としての役割を果たしてきた。同団体でモニタリングチーム長を務めるオ・フンボムさんは、本紙の電話取材に対し「今年を除いて最近5年間は、松島10工区の渡り性水鳥の個体数に大きな変化はなかった。しかし今年初めに松島10工区が埋め立てられ、その後、渡り性水鳥の個体数が大幅に減った」とし、「渡り性水鳥は生息地が破壊されれば移動する。渡り性水鳥がどの地域に移ったのかを知るには、モニタリングを続けることが必要だ」と述べた。
仁川市のユ・フンス環境局長は「今年も松島干潟モニタリング事業を継続し、様々な研究調査活動の支援も行う」とし「香港政府などの東アジアの様々な地域との国際交流も活発に行う方針」だと語った。
今回の定期調査では、松島干潟で91種、10万2691羽の渡り性水鳥が確認された。クロツラヘラサギ、カラシラサギ、ハヤブサ、カラフトアオアシシギ、コウノトリの5種の1級絶滅危惧種と、ズグロカモメ、ホウロクシギ、ミヤコドリ、ヒシクイ、オバシギ、ヘラサギ、イカルチドリ、オオノスリ、オオタカ、ハイイロチュウヒの10種の2級絶滅危惧種も観測された。