本文に移動

「韓国産第1号」コロナワクチン承認間近…感染予防効果はアストラゼネカの3倍

登録:2022-06-28 07:19 修正:2022-06-28 07:51
ノババックスと同じ遺伝子組換え方式 
感染を予防する中和抗体の力価がアストラゼネカの約3倍 
「今月中に食薬庁が承認、下半期の供給」の見通し
医療機関を訪れた市民が新型コロナワクチンを接種している=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国の食品医薬品安全庁(食薬庁)が、SKバイオサイエンスの開発した「韓国産第1号」の新型コロナワクチン「スカイコビワン(SKY Covione)」について、今月中に品目許可の可否を決めると明らかにした。このワクチンは、承認前の最も難しい関門である中央薬事審議委員会(中央薬審委)の会議で「許可可能」の判定を受けた。最終点検委員会の諮問手続きを経て、最終許可の可否が決まるが、無事通過するという見通しが極めて有力だ。食薬庁と開発会社側の話を総合し、このワクチンの効能と意味、導入日程などについて気になる点を調べてみた。

-今回のSKバイオサイエンスのワクチンはどのようなものなのか。

 「SKバイオサイエンスが米ワシントン大学と共同で開発した。韓国で初めて原材料から完成品の生産までなされる新型コロナワクチンだ。食薬庁が世界で初めて承認の可否を審査中だ。ノババックスと同じ遺伝子組換え方式で作られ、安全性に強みがあると期待されている」

-接種方法はどうなるのか。他のワクチンを打った人が「ブースター接種」として使うことは可能なのか。

 「成人は4週間隔で2回接種する。すでに他の種類のワクチンを打った人に交差接種が可能かどうかは臨床試験中だ」

-中央薬審委の通過はどのような手続きなのか。

 「新型コロナワクチンの承認は、受付→予備審査→審査および実態調査→諮問→許可→国家出荷承認段階を経る。このなかの3段階目である『諮問』段階は、専門家諮問委員会、中央薬審委、最終点検委員会に分かれ、専門家が審査する。中央薬審委は最終許可を控え、臨床資料だけでなく品質や非臨床資料などの技術的部分まで検討する委員会で、最も難しい関門だ」

-臨床試験の結果、ワクチンの効能はどうだったのか。

 「アストラゼネカの新型コロナワクチンと比べたところ、免疫力が高いと評価された。成人に4週間隔で2回接種した場合、新型コロナウイルスを無力化し感染を予防できる中和抗体の力価が、アストラゼネカのワクチンの2.93倍だと分かった。血清転換率(ワクチン接種前に比べ抗体価が4倍以上増加する試験対象者の割合)も、SKバイオサイエンスのワクチン群では98.06%で、対照群の87.30%に比べ高かった。3回接種をすることになれば、オミクロン株に対する予防効果を期待できる」

-専門家が評価したワクチンの安全性と主な異常反応は。

 「中央薬審委は、承認する程度の安全性はあると判断した。ただし、局所および全身で予想される異常反応が、2回目より1回目の投与後に、高齢者より若い成人で多く発生し、1回目接種時の事前説明が必要だという意見だ。予想される異常反応は、疲労、筋肉痛、頭痛、寒気、発熱、関節痛、悪心・嘔吐、下痢などだ」

-最終許可後、実際に現場でこのワクチンが供給されるまでには、どのくらいかかるのか。

 「食薬庁の最終許可まで、今月(6月)中に結論を出すという立場だ。最終許可が通れば、疾病管理庁の導入計画などを考慮し、今年下半期にワクチンが供給されると予想される。SKバイオサイエンスは3月に、ワクチン1000万回分(1回接種量)を国内に供給することで疾病管理庁と契約した状態だ。 ”

-韓国産ワクチンを保有することには、どのような意味があるのか。

 「ワクチン開発には大規模な臨床研究を行う経験が重要だ。国家単位でのそのような経験によって、他の感染病が来た時に対応する能力を育てることができる」

-海外への供給計画は。

 「海外への供給を考慮し、臨床試験を韓国だけでなく、ニュージーランドやフィリピンなど6カ国で進めている。世界保健機関(WHO)の緊急使用承認も推進中だ。WHOが緊急使用を許可すれば、新型コロナワクチンの共同購入・配分のための国際プロジェクトであるCOVAXを通じて、韓国産ワクチンも低所得国などに供給できる」

パク・ジュニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1048647.html韓国語原文入力:2022-06-28 02:48
訳M.S

関連記事