チョ・テヨル外交長官が、今後の韓日関係の方向を決定づけることになる「大陸棚の南部の共同開発に関する協定」(韓日大陸棚協定・JDZ協定)を延長するための交渉を始めたことを明らかにした。この問題は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が推進してきた対日「譲歩外交」の運命を決定づける問題に発展する可能性が高い。政府は日本を説得できる様々な論理を開発し、合理的な結論を導き出せるよう、最善を尽くさなければならない。日本も同様に、表面上だけで協力を言うのではなく、韓国が共感できる実質的な措置を履行してほしい。
チョ長官は10日夜、国会の対政府質問で「協定」延長について、「日本と局長級レベルで対話を始めた」と明らかにした。1978年6月22日に発効したこの協定は、済州島(チェジュド)南方200キロメートルに位置する第7鉱区と呼ばれる東シナ海の大陸棚を、韓国と日本が共同開発するというものだ。50年の期限であるこの協定は、満了期限の3年前、すなわち2025年6月22日以降、どちらか一方の書面通知によって終了する。
もし協定が終了すれば、韓国は一方的に不利な立場に置かれることになる。1970年代には国家間の大陸棚の区画基準は「大陸棚からの延長線」だったが、1982年に国連海洋法条約をきっかけに、2国間の「中間線」に変わった。この地域は日本のほうが地理的に近い。日本の立場としては、協定を終了させた後に長期的に独自開発を準備するほうが、現在よりも有利になるということだ。
これに対する日本の最終判断が下される来年6月は、ちょうど韓日国交正常化60年を迎える月だ。尹大統領の一方的な譲歩でなんとか正常化した両国関係改善の流れに、日本が「コップの半分を満たす」どころか、灰をまき散らす決定を下すのであれば、韓国人の忍耐心も限界に達することになりうる。
東シナ海の北端に位置するこの海は、中国も戦略的関心を向ける重要な海域だ。日本が協定を終了すれば中国が割り込んできて、韓中日3カ国間で激しく混沌とした角逐が始まることは明らかだ。
日本はこれまで、「中国の脅威」を強調して韓日協力を強調してきた。ところが、日本が自国の利益だけを考えて韓国を犠牲にし、中国の介入の可能性が高まるような決定を下すのであれば、尹錫悦政権が推進してきた韓日協力も限界に達するだろう。これは、尹錫悦政権に大きな打撃を与えるだけでなく、その余波は韓米日の3カ国協力にまで及ぼすと予想される。結局、韓国はすべてを譲歩して「日本の配慮」を切に待たなければならない状況に追いやられることになった。「重要なのは日本の気持ち」だという「譲歩外交」のむなしい結論だ。