穴に巣を作るアカショウビン、ヤマショウビン、カワセミ、コノハズクなどの巣穴を塞ぎ、餌をくわえて帰ってきたつがいを2羽同時に撮影したりもする。ヒナがいるすべての鳥は、ヒナの安全を図るためにオスとメスが交代で巣の周囲を警戒し、餌をやるのが普通だ。
巣に接近する際には周囲の枝を飛び石にして密かに動き、出てくる際には急いで出てくる。敵に巣の位置が知られないように気をつけているのだ。鳥たちは巣に入る時と出てくる時に危険にさらされやすい。
しかし、巣の入口が塞がっているため、餌をくわえて帰ってきた親鳥たちは不安で焦り、途方に暮れる。巣に入る直前にとまった指定の枝に、夫婦が餌をくわえて帰ってきて2羽ともにとまることになるのだ。この非正常な様子をもっともらしく演出するために幼いヒナを虐待し、母鳥の母性を刺激する。母鳥は神経質な反応を示しながら悲しげに鳴く。鳥は馬鹿ではない。人間の仕業であることを知っている。
写真家たちは、こうして撮影した写真をインターネットサイト、ブログ、カフェなどに堂々と載せて自慢する。一般の人々はすばらしい生態写真だと感嘆する。命の重さは同じだ。犬や猫の虐待はメディアが大きく報道するが、持続的に行われる鳥類虐待に対しては寛大に思える。
動物保護法は動物の虐待を処罰するが、その主な対象は犬や猫のようなペットだ。野生動物は絶滅危惧種や天然記念物のような法定保護種でない限り、虐待を防ぐ条項がない。
人が育てる動物に対してのみ動物保護法が適用され、自然の隣人として生きている動物には適用されない。命を平等にみないのは、過度に人間中心的な考えではないだろうか。
絶滅の危機に瀕する野生生物と天然記念物の保護法はあるが、一般的な野生生物に対する虐待行為、むやみに餌を与える行為、生態系をかく乱する行為などを制限する法律の条項はない。時代の変化に合わせて、生態系が破壊される前に一般的な野生動物に対する保護措置を早急に取ることが求められている。
鳥類は環境の健全性を計る指標であり、食物連鎖の頂点にある。鳥のいる場所は人が暮らすことができ、鳥のいない場所は人も住めない。命をもてあそぶ非人間的な行為を止めさせるよう、関連法が整備されなければならない。
文・写真/ユン・スニョン|韓国野生鳥類保護協会理事長、ハンギョレ環境生態ウェブジン「水風森」執筆者