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韓国疾病庁、「第2世代天然痘ワクチン」に代わる「第3世代サル痘ワクチン」導入

登録:2022-06-08 05:47 修正:2022-06-08 08:38
疾病庁「迅速な導入のためメーカーと協議中」 
サル痘、8日法定感染症2級に指定される予定
研究者が掲げてみせているサル痘のワクチン/ロイター・聯合ニュース

 サル痘が全世界に広がり、韓国国内に流入する可能性が高まっている中、防疫当局が「第3世代サル痘」ワクチンの国内導入を進める。国内で保有している「第2世代天然痘ワクチン」は接種方法が難しく、副作用が強いため、これまで専門家たちは第3世代ワクチンの導入を急ぐべきだと指摘してきた。

 7日、疾病管理庁のクォン・グニョン予防接種管理課長は、新型コロナウイルス感染症の定例ブリーフィングで、「国内流入の可能性があるだけに、サル痘に効果が立証された第3世代天然痘ワクチンを迅速に導入するため、メーカーとの協議を進めている」とし、「導入量と導入日程については、決まり次第発表する」と述べた。国際統計サイトであるアワー・ワールド・イン・データによると、6日現在、全世界のサル痘感染者は1033人。

 疾病庁が導入を推めようとしているワクチンは、デンマークの製薬会社「ババリアン・ノルディック」が開発した第3世代ワクチン「MVA-BN」(米国での販売名はジンネオス)で、2019年に米国で天然痘とサル痘の予防用として承認された。ドイツやスペインなどが最近、このワクチンを購入することを決めた。

 これに先立ち、疾病庁は国内に天然痘ワクチン3502万人分を備蓄していると発表したが、政府はワクチンの使用を検討しない立場を示した。国内に保有中の第2世代天然痘ワクチンは、サル痘を85%ほど予防する効果がある。しかし、特殊な針を使い、表皮に傷をつけた後、菌を注入する方式で接種が難しく、生ワクチンなのでワクチン接種後の感染の可能性もある。一方、第3世代ワクチンの「MVA-BN」は皮下注射の形で、28日の間隔を置いて2回接種すれば良い。

 ただし、疾病庁は接種を開始しても、感染可能性の高い高危険群などを対象に、制限的に実施する方針だ。サル痘は皮膚の傷や粘膜を通じた直接接触で感染が起きるため、感染力が高くない点などを考慮した。米国疾病対策センター(CDC)も、医療スタッフなど職業上サル痘に露出する恐れがある場合に限り、予防目的でワクチン接種を勧めている。

 疾病庁は先月31日、サル痘に対する感染症危機警報レベルを、海外で新型感染症が発生・流行した時の「関心」段階に発令したのに続き、2級法定感染症に指定する告示改正作業を進めている。2級感染症は医療機関などが感染者を24時間以内に申告しなければならず、感染者にも隔離義務が生じる。

イム・ジェヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1046030.html韓国語原文入力:2022-06-0716:08
訳H.J

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