本文に移動

金融監督のトップも尹錫悦師団…検察出身の側近が「尹錫悦政権」入りの必須条件?

登録:2022-06-08 05:38 修正:2022-06-08 08:58
「尹錫悦師団」最年少のイ・ボクヒョン、金融監督院長に抜擢 
今年4月、検察捜査権分離法に反対し、辞職 
検察出身の独占という指摘に、尹大統領「有能な人材」を強調
尹錫悦大統領が今月7日午前、ソウル龍山の大統領室庁舎で開かれた国務会議で発言している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権初の金融監督院長に「尹錫悦師団」の一員、イ・ボクヒョン前ソウル北部地検部長検事が抜擢された。通常、次官級に分類される金融監督院長に検察出身が任命されたのは初めての事例。大統領室や司正機関、金融機関など政府の要職に検察出身者を任命する尹大統領の「検察万能主義」人事が続いている。

 尹大統領は7日、新政府の初代金融監督院長にイ・ボクヒョン前部長検事を任命したと、大統領室が発表した。歴代の金融監督院長は、金融界の人物や学者出身が担ってきたが、異例にも部長検事出身の法曹界の人物が起用された。検察出身を金融監督のトップに据えた今回の人事には、ライム・オプティマス私募ファンド事態など証券・金融犯罪の監督を強化しようとする尹大統領の意志が強く働いたという。金融委員会もまた「検察に在職していた当時、大きな経済犯罪捜査業務に参加し、経済正義を実現した経験をもとに、金融監督院の当面の課題を効果的に遂行する適任者」だと、人選の背景を説明した。

 しかし金融監督院長の任命は、ハン・ドンフン法務部長官をはじめ、チュ・ジヌ法律秘書官など大統領室の主要参謀、国家情報院企画調整室長(チョ・サンジュン元検事長)、首相秘書室長(パク・ソングン元次長検事)などに続く「尹大統領の検察時代の側近」人事であり、与党内部でも検察偏重人事に対する懸念の声があがっている。

 イ・ボクヒョン新金融監督院長も、検察時代に尹大統領と「現代自動車裏金」や「外換銀行ローンスター安値売却事件」、「国家情報院政治介入」、「国政壟断特検」などの捜査を共にした代表的な「尹錫悦系の人物」で、今年4月、共に民主党の検察捜査・起訴分離立法に反対し、辞職した。

 尹大統領はこの日出勤途中に、「検察独占人事が続いているが」との記者団の質問に対し、「人事の原則は適材適所に有能な人物を使うこと」と反論した。

 この他にも、尹大統領は同日、新金融委員長候補に企画財政部官僚出身のキム・ジュヒョン与信金融協会会長を指名した。ソウル大学経済学科を卒業したキム氏は、第25回行政公務員試験で公職に入門し、金融委員会の金融政策局長や事務処長、預金保険公社社長などを歴任した。誠信女子大学経済学科のカン・ソクフン教授は同日、金融委の提請を経て、産業銀行会長に任命された。カン教授は、セヌリ党(国民の力の前身)時代に党政策委副議長を務め、朴槿恵(パク・クネ)政権での大統領室経済首席秘書官を経て、政権引継ぎ委員会で政策特別補佐官として働いた。これで空席だった尹錫悦政権の「第1期経済チーム」を完成する金融当局の司令塔がそろった。尹大統領はまた、国務調整室長に企画財政部第2次官出身のパン・ムンギュ韓国輸出入銀行頭取を任命した。

 大統領室の追加の人選も発表された。大統領室社会首席室文化体育秘書官にはユ・ビョンチェ文化体育観光部体育局長が、市民社会首席室国民提案秘書官にはホ・ソンウ前引継ぎ委行政部室長が任命された。

ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1046071.html韓国語原文入力:2022-06-0721:44
訳H.J

関連記事