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中ロの爆撃機、東海上の防空識別圏に無断進入

登録:2022-05-25 10:23 修正:2022-05-25 21:31
「中ロ牽制」バイデン韓日歴訪に対応?
2017年1月9日に中国の軍用機8機が大韓海峡東水道(日本名「対馬海峡」)上空を通過し、東シナ海と東海の間を往復飛行。自衛隊の戦闘機が確認したと日本メディアが伝えた。写真は当時の防衛省統合幕僚監部がHPに公開した中国のH-6爆撃機//ハンギョレ新聞社

 合同参謀本部(合参)の発表によると、中国の爆撃機2機とロシアの戦闘機および爆撃機4機が24日、独島(ドクト)北東の韓国防空識別圏(KADIZ、カーディズ)に進入し、後に離脱した。米国のジョー・バイデン大統領が20~24日に韓国と日本を訪問し、中国とロシアに対する牽制を強化した直後であるため、中ロが威力示威を行ったのではないかとの分析が出ている。

 合参は、24日午前7時56分ごろに中国の軍用機(H-6爆撃機)2機が離於島(イオド)の西北126キロからKADIZに進入して東海(トンヘ)上空へと移動し、午前9時33分ごろにKADIZの北へと抜けたと説明した。その後、中国の軍用機は東海の北の地域でロシアの軍用機4機(TU-95爆撃機2機、戦闘機2機)と合流。午前9時58分ごろに東海の北からKADIZに再び進入し、午前10時15分ごろに独島の東のKADIZ外へと離脱したと合参は語った。

 合参は、午後3時40分ごろに離於島の東南267キロのKADIZ外郭で中国とロシアの軍用機6機(中4、ロ2)を再び捕捉したと説明した。両国の軍用機はKADIZの外郭に沿って北上し、中国機4機は17分後に離脱し、ロシア機2機はKADIZ外郭を北上し続けたという。

 合参は「この日、領空侵犯はなかった」とし「KADIZへの進入の前から空軍の戦闘機を投入し、偶発状況に備えた戦術措置を実施した」と語った。

 KADIZは、自国の領空に進入する外国の航空機を事前に識別するため、各国が領空外の一定地域に引いた仮想の線(防空識別圏、ADIZ)のひとつで、領空とは異なる概念だ。速度の速い外国の軍用機が領空に入ってきてからでは対応が遅れるため、各国の空軍は防空識別圏を設定している。

 軍当局は、今回の進入を中ロの合同空中訓練の一環と見ている。

 中国は、韓国がKADIZへの進入について警告したことに対し、ホットラインを通じて通常の訓練だと述べたという。ロシアはこれといった通報はしてきていないと軍の消息筋は語った。

 しかし、中ロ軍用機による事前通報なしのKADIZ進入は、米国のバイデン大統領が韓日歴訪で中国とロシアに対する牽制・圧迫行動を展開したことに対応した武力示威だとする解釈も示されている。

 一方、日本の岸信夫防衛相は「クアッド(Quad)首脳会合が開催されている最中に行われたことについては、これまでと比べ挑発度を増すもの」と反発した。

クォン・ヒョクチョル記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1044231.html韓国語原文入力:2022-05-24 20:58
訳D.K

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