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中国とロシアの軍用機9機、独島付近の韓国防空識別圏に無断進入

登録:2021-11-20 02:35 修正:2021-11-20 07:05
韓国空軍、F-15K・F-16K戦闘機・空中給油機を出動 
領空侵犯はなく、軍事的摩擦もなし
2017年1月9日、中国爆撃機など軍用機8機が大韓海峡東水道(日本名・対馬海峡)上空を通過し、東シナ海と東海の間を往復飛行したことを、緊急発進した自衛隊戦闘機が確認したと日本メディアが伝えた。写真は当時の中国H-6爆撃機=日本防衛省統合幕僚監部のホームページより//ハンギョレ新聞社

 19日午前と午後、中国軍用機2機とロシア軍用機7機が東海(トンヘ、日本名・日本海)の独島(トクト、日本名・竹島)北東側の韓国防空識別圏(KADIZ)に事前通報なしに進入し、それぞれ10分ほど留まってから離れた。韓国軍はこれらの軍用機がKADIZに進入する前から戦闘機と空中給油機を投入していたが、軍事的摩擦はなかった。

 韓国軍合同参謀本部(合参)の関係者は、「同日午前10時50分頃と午後3時頃、中国軍用機2機とロシア軍用機7機が、独島付近のKADIZに順次進入してから離脱したが、領空侵犯はなかった」と明らかにした。KADIZは韓国の主権が及ぶ領空とは異なる概念だ。外国軍用機が韓国領空に無断で入ってくると、深刻な主権侵害になる。防空識別圏は自国領空に進入する外国の航空機を予め識別し、必要な軍事的備えをするため、領空の外の一定地域に引いた仮想の線だ。軍用機のスピードが非常に速いため、ひとたび外国の軍用機が領空に入ってから軍当局が対応に出るのは遅すぎるからだ。

 同日午前10時50分、ロシアのスホーイ系爆撃機4機と中国の轟(H)系爆撃機2機など、中国とロシアの軍用機6機が鬱陵島(ウルルンド)北東側のKADIZの北から南下し、日本の防空識別圏(JADIZ)の方に抜けていった。その後、A-50と推定されるロシアの早期警戒管制機1機も4分ほどKADIZに留まったという。

 同日午後3時頃にも、これらの軍用機が南から北に向かって同じ区域を10分ほど通過したという。この過程で、ロシアのスホーイ系軍用機2機がさらに登場し、この日合計9機の中ロ軍用機がKADIZに無断進入した。

 韓国軍は領空侵犯の可能性に備え、中ロ軍用機よりも多いF-15K、F-16K戦闘機と空中給油機を出動させるなど、偶発状況に備えた戦術措置を取った。

 KADIZは国際法上、領空ではないが、外国軍用機は該当国にあらかじめ飛行計画を提出し、進入時の位置などを事前に通知するのが慣例となっている。通知なしに外国の航空機が進入すれば、戦闘機が出撃する。事前通知は衝突防止が目的なので、外国軍用機が事前通知なしにKADIZに無断進入しても、領空を侵犯しない限り、射撃のような軍事対応は直ちに行わない。

 しかし、外国軍用機がKADIZへの無断進入に止まらず、領空を侵犯した場合は、主権守護のレベルで軍事行動に出る。2019年7月、中国とロシアの爆撃機が今回のように東海上のKADIZに無断進入した後、ロシアのA-50早期警戒管制機が独島付近の領空を侵犯したことを受け、韓国空軍の戦闘機が警告射撃で対応したことがある。

 合同参謀本部は同日、「韓国軍は韓中ホットラインを通じ、中国側から通常の訓練だという回答を受けた」と発表した。合同参謀本部は今回の状況を中ロの合同訓練と捉えており、さらなる分析が必要だと明らかにした。この日の日本の航空自衛隊の対応はまだ確認されていない。

クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1020049.html韓国語原文入力:2021-11-19 19:27
訳H.J

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