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韓国の女性長官比率、世界100位以下に転落か

登録:2022-04-14 02:20 修正:2022-04-14 10:11
[第1、2次人選の内訳を確認すると] 
女性長官比率、193カ国中100位を下回ると推定 
再び20%未満に…モンゴル、ソマリアと同水準 
「同数内閣」目指す世界的な流れに逆行 
平均年齢59.7歳、ソウル大学・慶尚道出身が多数
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 18.75%。これまでに発表されている尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の初代内閣長官候補に占める女性の比率だ。第1次、第2次人選の結果、16省庁の長官候補者中、女性はキム・ヒョンスク(女性家族部)▽ハン・ファジン(環境部)▽イ・ヨン(中小ベンチャー企業部)の3人だ。未定の雇用労働部と農林畜産食品部の長官候補に男性がなれば、その比率は16.7%にまで下がる。

 12日の新政権の第2次人選とともに輪郭を現した初代内閣の主流像は、「ソウル大学を出た60歳の慶尚道の男性」と言える。16人の長官候補の平均年齢は59.7歳で、ソウル大学と慶尚道の出身者が各7人で多数を占める。高麗大とソウルを背景にもつ人物が各4人と続く。第1次人選後の「ソ5男(ソウル大学、50代、男性)」という通称性は薄れたが、平均61歳の「高所嶺」(高麗大学、所望(ソマン)教会、嶺南(ヨンナム。慶尚道のこと)出身)内閣と呼ばれた李明博(イ・ミョンバク)政権の第1期内閣と一部似ているようにみえる。

 現政権の「長官クオータ制」方針を廃棄するという公言どおり、女性長官の比率は現政権より大幅に下がった。何よりも、政治の先進化や競争力強化などの国際的な趨勢にも逆行するという批判は避けられそうにない。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権の女性長官比率は平均で24.97%(第1期27.7%、2期22.2%、3期33.3%、4期16.7%)だった。現在の女性候補が全員任命されたとしても、尹錫悦政権第1期内閣の女性長官比率は文在寅政権の平均値を下回ることになる。

 女性長官比率が20%に満たない国の多くは低開発国だ。国連女性機関(UN Women)と列国議会同盟(IPU)は毎年、「ウィミン・イン・ポリティクス(Women in Politics)」を発表している。その中で、世界193カ国の女性長官比率、女性国会議員比率を調査し、順位をつけた結果を発表している。直近の資料である「ウィミン・イン・ポリティクス:2021(2021年1月1日現在)」によると、女性長官比率が18%台の国はモンゴルとスロベニア(18.8%、同率で101位)、ソマリア(18.5%、104位)、アルゼンチンとタンザニア(18.2%、105位)などで、いずれも100位より下となっている。この発表で、韓国の女性長官比率は27.8%で69位タイだった。韓国の順位は、2019年83位タイ(22.2%)▽2020年35位タイ(33.3%)で、この3年間は100位より上の成績を維持していた。

UN Womenが公開した「ウィミン・イン・ポリティクス:2021」=UN Women//ハンギョレ新聞社

 尹次期大統領は当選直後から、人事には「能力主義」で臨むとの方針をほのめかしてきた。「割当や配分はしない」(4月11日)、「地位の分配では国民統合ができない」(3月13日)と述べ、能力と人物中心に評価して候補を決めるとしたのだ。

 世界的な流れは異なる。男女同数内閣を目指す国が増えているのだ。3月11日に発足したチリのガブリエル・ボリチ政権の内閣は、24人の長官のうち15人(62.5%)が女性で、半数をはるかに上回っている。昨年12月に発足したオラフ・ショルツ首相率いるドイツの連立政権は女性8人、男性8人からなる「同数内閣」だ。発足当時、ショルツ首相は「女性と男性がそれぞれ人口の半分を占めているため、(内閣でも)女性が半分の力を得るべきだ」と述べている。カナダも2015年から昨年10月まで同数内閣を保っている。

 李明博政権では発足を前にイ・チュンホ女性家族部長官、パク・ウンギョン環境部長官の2人の候補が内定したものの、不動産投機疑惑で両者とも退き、女性で入閣したのはピョン・ドユン女性家族部長官のみとなった。人選の時点でみれば14年前より1人多いことになる。

チェ・ユナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/women/1038795.html韓国語原文入力:2022-04-13 17:18
訳D.K

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