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韓国でオミクロン株「XL」出現…感染者中2万6千人は再感染

登録:2022-04-13 01:48 修正:2022-04-13 08:15
「特性の変化は大きくないはず…自然消滅の報告も」 
感染者中、再感染例は2万6239人
12日午前、ソウル駅広場に設けられた臨時選別検査所で、市民が検体を手渡している/聯合ニュース

 韓国国内の新型コロナウイルス感染者の中からオミクロン株の派生型「XL」への感染例が初めて確認されたが、防疫当局は従来のオミクロン株とさほど変わらないだろうと見込んでいる。推定によると、コロナへの再感染例は感染者の0.3%ほどの2万6000人あまり。

 疾病管理庁の中央防疫対策本部(防対本)のイ・サンウォン疫学調査分析団長は12日、「オミクロン株の派生型XLが1件、国内の感染者から初めて確認され、疫学調査が進められている」と発表した。3月23日に陽性判定を受けたこの感染者は、3回目のワクチン予防接種を済ませていた。感染推定時期に海外渡航歴はなく、特別な健康異常は見られないため、今は隔離解除されている。

 XLはオミクロン株の下位系統BA.1とBA.2(ステルスオミクロン)の遺伝子が組み合わさったもので、現在までに系統が確認されているXAからXS(XIとXOを除く)までの17の組み合わせ変異株の1つ。2月に英国で初めて発見され、それ以降、英国だけで66件が確認されており、世界保健機関(WHO)もXLをオミクロン株として分類している。英国健康安全保障庁は先月25日、組み合わせ変異株の大半が特に拡散することもなく消滅したと報告している。

 イ・サンウォン団長は「警戒は必要だが、過度な懸念はしなくてもよいかもしれない」とし「変異といっても、優勢になることなく自然消滅するケースも多いため、帰趨に注目する必要がある」と述べた。今後、韓国に及ぼす影響についても、「いま発見されている変異株が現在の減少傾向に影響を及ぼすとは判断しない」とし、「現在の防疫システムや社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)に対しての影響は限定的だろう」と述べた。防対本は、感染力、重症度などの分析資料がないことから、変異株の観察を強化する予定だ。

 今月3日から9日までの1週間に国内で検出された変異株は、国内感染ケース5016件と海外からの流入ケース227件いずれもオミクロン株の変異であることが確認された。下位系統のBA.2検出率は国内感染ケースで85.2%で、前週から17.5ポイントの上昇、海外からの流入例では75.0%で、同1.7ポイントの低下だった。

 また、防対本が2020年1月から今年3月19日までの全感染者924万3907人を再調査したところ、コロナに再感染したと推定される事例は0.284%の2万6239人だった。再感染1回は2万6202人で、2回は37人だった。2度目の感染の推定発生率は、オミクロン株流行以前の昨年12月までは0.098%(57万9724人中570人)だったが、オミクロン株が流行した今年1月以降では0.296%(866万4146人中2万5632人)と約3倍に上昇した。再感染例調査書を登録したケースのみを集計した3月27日現在の346人より大幅に増えている。しかし、再感染率が2022年1~2月は10%と推定される英国や、昨年3月から今年2月20日にかけてが3.1%と確認されたフランスに比べると低い水準だ。

 防対本のパク・ヨンジュン疫学調査チーム長は、「韓国は、昨年12月までは1次感染者の規模が相対的に小さかったため、再感染と推定されるケースの発生率自体が低い」とし、「オミクロン株の大流行以降、1次感染者の規模がかなり拡大し、短くて45日以降にその影響が出ると予想されるため、再感染者の規模は今後さらに大きく膨れ上がる可能性がある」と述べた。

 再感染したとしても、重症や死に至る危険性は感染者全体の平均より低いことが調査で分かっている。再感染後に重症となった人は14人(資料の分析期間中に2人死亡し、死者集計にも重複反映)、死者は15人で、重症化率(重症+死亡率)は0.10%(2万6239人中27人)、致命率は0.06%だった。先月20日現在の感染者全体の重症化率は0.27%、致命率は0.12%で、再感染のケースの方がそれぞれ63%、50%低い。

イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1038549.html韓国語原文入力:2022-04-12 13:41
訳D.K

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