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「新大統領就任後では検察改革は困難」…韓国与党、逆風の懸念にも改革加速化

登録:2022-04-11 10:21 修正:2022-04-11 14:54
12日、議員総会で法改正を最終決定 
尹錫悦次期大統領の任期開始後では、法改正しても拒否権行使が明らか 
法司委員長も6月から国民の力の議員に…地方選挙後は推進動力なし 
民主党の強硬支持層「検察改革=文・李を守る」と認識し議員らを圧迫
共に民主党が推進中の「検察の捜査権の完全剥奪」に対して、最高検察庁、法務部検察局など検察集団が反対の立場を示した。最高検察庁は11日午前10時、全国検事長会議を開き、関連事案を議論する予定だ。写真は10日午前、ソウル瑞草区の最高検察庁の様子/聯合ニュース

 共に民主党では、文在寅(ムン・ジェイン)政権の任期中に検察の捜査権・起訴権の完全分離法案を処理すべきだという声が高まっている。検察改革を「李在明(イ・ジェミョン)守護」と考える強硬支持層が検察改革のスピード処理を求めているうえ、法案処理を先送りすればするほど不利になるという党内の声が加わり、相乗効果を醸している雰囲気だ。しかし、昨年一度行われた捜査権調整に対する評価と警察権の肥大化防止などのための補完策が先行しないまま、検察の捜査権と起訴権を分離する法案を処理するのは、コンセンサスを得にくいという指摘が出ている。

 民主党は12日、検察の捜査権・起訴権の完全分離法案処理の時点と進め方を最終決定するための議員総会を開く。党内では検察改革の「当為性」に共感する議員が大半だという。今月7日、党内の検察改革に関する非公開懇談会に出席したある議員は、「6月1日の地方選挙を控え、急いで推進した場合のメリットとデメリットを含め、捜査権の分離と警察権の肥大化防止策などを伴う可能性をめぐり様々な意見が出たが、検察の起訴権と捜査権を分離しようというのはもはや党内強硬派が過剰に代表される声ではないようだ」と述べた。今月5日の議員総会後、数回にわたって非公開懇談会が開かれ、重大犯罪捜査庁のような別途の機関を新設する案よりも、刑事訴訟法・検察庁法を改正し、検事が直接捜査できる権限を減らす案に重きが置かれている。

 民主党内でスピード処理が優勢になる理由は大きく分けtて3つほどだ。まず、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領の任期が始まってから法案を処理すれば、大統領が法律案拒否権を行使することは火を見るよりも明らかであるため、検察改革を成し遂げるためにも文在寅大統領任期内に処理しなければならないということだ。さらに、昨年の常任委の再配分交渉当時、今年6月からは法案処理の「門番」と呼ばれる法制司法委員会の委員長職を国民の力に任せることにしただけに、その前に処理を急ぐべきだという意見が強まっている。また、6月1日の地方選挙を控え、強硬支持層が「検察改革=文在寅・李在明守護」として民主党議員らに全面的に圧力をかけていることも、スピード処理を煽る要因だ。民主党は、地方選挙が終われば、事実上検察改革を推進する動力がなくなるとみている。

 検察改革を先頭に立って主張してきたファン・ウンハ議員は5日、議員総会後に議員たちに送った手紙と9日のフェイスブックを通じて、警察権の肥大化防止策などが一緒に設けられなければならないという一部の指摘に対し、「次悪かもしれない新しい制度導入に対する短所を指摘し、完璧な制度設計を準備しようというのは、事実上検察改革をやめようという主張と変わりない」とし、「完成度の高い捜査・起訴分離案を十分な意見収集を経て作成しようというのは、やめようという意味と変わらない」と主張した。

 しかし党内では、国民的コンセンサスを十分に築かずに検察改革を推進すれば、「逆風」にさらされる恐れがあるという懸念の声もあがっている。ある指導部関係者は、「強硬支持層のショートメール集中送信などの圧迫で、議員が萎縮しているのは事実だ」とし、「このため、党の意思と国民の意思がどれほど乖離しているのか、実際の民意はどのような状況なのかを把握しようとする努力が十分でないのは事実」と話した。さらに「検察が過度な権力を持っているために国民に生じた不利益、不公正さに対する説明よりも、『(次期政権になれば現政権に対する)報復捜査が行われるだろうから、政治検察をこれ以上見過ごすことはできない』という当為論ばかりが見えているため、国民の説得も容易ではないだろう」と述べた。

チェ・ハヤン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1038310.html韓国語原文入力:2022-04-11 7:36
訳C.M

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