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大統領執務室移転への「尹氏のこだわり」…正面突破で成功した経験からか

登録:2022-03-24 09:45 修正:2022-03-24 11:39
26年の検事生活、チョ・グク捜査、チュ元法相との対決 
対立調整よりも突破で大統領まで…「政治を対決と認識している」
尹錫悦次期大統領が23日午前、ソウル鍾路区通義洞の執務室前に設置されたプレスカフェを訪れ、お茶を飲みながら取材陣と会話している/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領が就任する前から様々な憂慮と批判を押し切って大統領執務室の移転を推し進めていることで、その背景に関心が集まっている。検事時代の「正面突破」を通じて大統領の座すら勝ち取った成功の経験と、対立を調整したことのない「政治無経験」がその理由に挙げられる。

 尹氏は20日、執務室の龍山(ヨンサン)への移転計画を明らかにした記者会見で、「国民の世論が好意的でなければ撤回する計画はあるのか」「国民が反対するのに決断するのは帝王的なのではないか」という質問に対し、「決断しなければ帝王的大統領制を脱することは難しい」と述べ、退かない意思を明確にした。自分が正しいと思っているので、そのまま推し進めていくということだ。

 尹氏の「正面突破」は、検察総長から大統領になるまでの経路を説明するカギだ。検察総長就任1カ月でチョ・グク前法務部長官候補の捜査に着手し、文在寅(ムン・ジェイン)政権と激しく対立した。そのために政治的に注目され始め、チュ・ミエ元法務部長官の懲戒請求でも辞任せずに対抗し、有力な野党陣営の大統領選候補としての地位を固めた。「踏ん張ればいい」という彼の経験は、大統領選党内予備選挙の過程でも、全斗煥(チョン・ドゥファン)氏の擁護や妻のキム・ゴンヒ氏の虚偽履歴問題が騒がれた時も、過ちを認めるというより悔しさから抗弁したために事を大きくした。時代精神研究所のオム・ギョンヨン所長は「検察総長当時、外圧などにも持ちこたえつつ直進して正面突破してきた尹氏のキャラクターが今もそのまま続いている」とし「推進力と決断力があるとみることもできるが、あまりにも短い間に意思疎通とはかけ離れたやり方で事が進められている」と批評した。

 尹氏の「正面突破」スタイルは、26年間の検事生活の結果でもある。尹氏をよく知る検事たちは彼を「あれこれと他人の顔色を伺うことはしないが、捜査の過程でディテールは足りなかったのは事実」と評価する。特有の突破力は、外圧と巨悪に対抗するには有用だが、対立を調整しなければならない政治の領域では独善になり得る。対立調整と協治の経験なしに政界入りして8カ月で最高権力を握ったことも、彼にとって毒になる可能性もある。政治評論家のパク・サンビョン氏は「これまでずっと国民を被疑者として見てきた検事である尹氏が、依然として甲の位置で自分の意思によって判断してきたやり方を続けている」とし「傾聴と意思疎通は全く見られず、一度決心すれば無条件で推し進めるやり方」と指摘した。『大統領を選択する心理学』の著者である心理研究所「ともに」のキム・テヒョン所長は「尹氏は議会経験がなく、対立を調整して協治してきた経験は全くない」とし「彼は政治を妥協と協力の観点から見るのではなく、対決と勝負の観点から見ている」と指摘した。

 龍山の執務室への移転にこだわる尹氏が「青瓦台(大統領府)には絶対に入らない」と強調するのも、理解しがたい部分だ。「脱青瓦台」の意志が強いならば、警護と保安が脆弱な通義洞(トンウィドン)の執務室にとどまるのではなく、就任後にひとまず大統領府で業務を始め、落ち着いてから執務室の移転を準備すればいいからだ。オム・ギョンヨン所長は「大統領府に少しでも入ってはならないという論理は事実上成立しない。政界から比較的自由な尹氏が、本人の(移転の)意思がはっきりあるなら可能なこと」だとし「尹氏は過去の政権との差別化にこだわっているようだ」と述べた。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1036037.html韓国語原文入力:2022-03-24 07:37
訳C.M

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