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大統領府「執務室移転計画は無理」尹「5月10日に必ず履行」

登録:2022-03-22 04:01 修正:2022-03-22 08:09
キム・ブギョム首相とアン・チョルス委員長が会談 
「政府内に移転TFを設置して議論」提案
パク・スヒョン国民疎通首席が21日、大統領府春秋館で、大統領執務室移転計画について「新政権発足まで時間が差し迫っている」とし「特に朝鮮半島の安保危機の高まりにより、いつにも増して安保の力量を結集することが重要だ」と述べている=大統領府写真記者団//ハンギョレ新聞社

 大統領府は21日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領による龍山(ヨンサン)の国防部庁舎への大統領執務室の移転計画について「差し迫った時間内に移転するという計画は無理な面があると思う」と述べ、反対の意を表明した。5月10日までの執務室の移転と大統領府の開放を目指す尹次期大統領の計画は、実現が難しくなった。尹次期大統領側は遺憾の意を示しつつ「5月10日午前0時付けでの大統領府完全開放という約束を必ず履行する」と述べた。

 大統領府のパク・スヒョン国民疎通首席はこの日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が主宰した国家安全保障会議(NSC)の拡大関係長官会議の結果を説明するブリーフィングで「時間に追われなければならない差し迫った事情がないのであれば、国防部、合同参謀本部、大統領府すべて、より準備のできた中で移転を推進するのが筋」とし、このように述べた。

 大統領府は、執務室移転による安保の空白問題が解消されないと述べた。パク首席は「朝鮮半島の安保危機が高まっている」とし「準備できていない国防部と合同参謀本部の突然の移転と大統領府危機管理センターの移転は、安保の空白と混乱を招きうる」と説明した。また「現大統領府を中心として設定されている飛行禁止区域などの対空防衛システムの調整という問題も検討されるべき」と付け加えた。大統領府は、北朝鮮が今年に入ってからだけで11回もミサイルを発射しているうえ、金日成(キム・イルソン)主席の誕生日である太陽節(4月15日)を控えており、4月中に韓米合同演習も予定されているため、朝鮮半島の安保にとっては敏感な時期だということを念頭に置いたという。

 パク首席は「(文在寅大統領の)任期の最終日(5月9日)の夜12時までは、国家安保と軍の統帥は現政権と現大統領の手放すことのできない責務」だとし「国防部や合同参謀本部の関連機関などは、最後の瞬間まで揺らぐことなく任務に当たってほしい」との文大統領の訴えを伝えた。

 大統領府はまた、22日の国務会議には、尹次期大統領側が要請した496億ウォン(約48億6000万円)の執務室移転予備費は上程しないとの考えも明確にした。大統領府の高位関係者は「予備費を明日の国務会議に上程するのは難しいとみられる」と述べた。予備費は国務会議の審議と大統領の承認を経なければならない。ただし同氏は「協議がまとまれば、いつでもすぐに臨時国務会議を開いて処理しうるため、その過程は難しくないと思う」と付け加えた。

 大統領府が反対の意思を明らかにしたことで、5月10日までに大統領執務室を国防部庁舎に移転し、大統領府を完全に開放するという尹次期大統領の計画は、実現が難しくなった。新旧権力間の緊張もいっそう高まることになった。

 尹次期大統領側は遺憾の意を表明した。尹氏の報道担当を務めるキム・ウンヘ氏は「残念だ。文大統領が政権引き継ぎ業務の必須事項に協力を拒否すれば、強制する方法はない」と論評した。続いて「尹次期大統領は通義洞(トンイドン)で政権発足直後から直ちに措置を取るべき急を要する国民生活の問題と国政課題を処理していく」とし「5月10日午前0時付けで、尹次期大統領は大統領府の完全開放という約束を必ず履行する」と述べた。任期が始まっても、三清洞(サムチョンドン)の大統領府執務室ではなく、通義洞の次期大統領執務室で政務を執るとの考えを表明したわけだ。

 一方、キム・ブギョム首相とアン・チョルス引き継ぎ委員長は同日午後、ソウル三清洞の首相公館で会談して政権引き継ぎ問題を協議し、キム首相は「(大統領執務室の移転は)十分な議論と検討が必要だ」として、政府内に執務室移転タスクフォースを置き、引き継ぎ委と協議しうるとの考えを伝えた。首相室が明らかにした。これに対してアン委員長は「大統領の憂慮と立場はよく分かった。引き継ぎ委内部の議論を経て、次期大統領と話し合う。大統領執務室を移すという次期大統領の意志は固い。互いに懸念を払拭できる解決策を探ることを願う」と答えたという。

ソ・ヨンジ、チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1035697.html韓国語原文入力:2022-03-21 19:19
訳D.K

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