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共に民主党のイ・ジェミョン大統領選候補が今月16日、江原道高城郡の統一展望台を訪問し、望遠鏡で北朝鮮の地を眺めた後、戻ろうとしている/聯合ニュース

　共に民主党のイ・ジェミョン大統領候補が1泊2日で江原道を訪れ、「平和こそ経済」と強調し、「先制攻撃論」を提起した国民の力のユン・ソクヨル大統領候補を厳しく批判した。北朝鮮が相次いでミサイルを発射する危機的状況で、安定的なリーダーシップを強調する一方、北朝鮮に近い地域の経済活性化案を提示することで、保守層が多いといわれる江原道の中道・保守層の支持を狙う戦略だ。

　イ候補は16日午前、江原道高城（コソン）の統一展望台で「大韓民国共同体のための特別な犠牲には特別な補償が伴わなければならない」とし、「江原道を、朝鮮半島平和時代を先導するデジタル・グリーンニューディールのメッカにする」と述べた。また「江原道が南北平和時代をリードする地域に成長できるよう『江原道平和特別自治道設置法』を制定し、平和経済特別区域を指定するとともに、往来と貿易の手続きを簡素化して、南北経済協力、共同資源開発を持続的に進める」との構想も明らかにした。

　また、東海（トンヘ）と非武装地帯（DMZ）に国際観光共同特区を造成し、金剛山（クムガンサン）観光を再開する一方、南北の途絶えた鉄道と道路を連結し、江原道が北方経済進出の核心拠点になるようにすると述べた。金剛山観光は、2008年7月に観光客のパク・ワンジャさんが殺害されたことで中止された。その後、イ候補は記者団に対し「本来、個別観光は対北朝鮮制裁と関係がなく、南北間でも金剛山観光を再開することで合意したため、決断次第では十分に可能だと考える」と説明した。

　イ候補はまた、長期的に統一部の名称変更もあり得るという考えも示した。イ候補は「統一を短期的直接目標にするよりは、実現可能な事実上の統一状態、統一と変わらない状態にするのが実質的に憲法の定めた統一に至る道」だとしたうえで、「南北協力部や平和協力部などの名前で、短期目標をしっかり達成するのが長期的な統一の実現において現実的であり、実効的」だと述べた。ただし「（すぐに）そうするというわけではない」と付け加えた。

　イ候補は江原道を巡回する間、北朝鮮に対する「先制攻撃」や「主敵は北朝鮮」など、ユン・ソクヨル候補の発言について、「もはや捨てるべき旧態であり、危険千万な安保ポピュリズムだ」と非難し、集中攻撃を浴びせた。イ候補は同日、江陵（カンヌン）中央城南伝統市場で演説を行い、ユン候補を狙って「安保を政略的に自分の利益のために利用し、歪曲し、扇動してはならない」とし、「北朝鮮を先制攻撃すればどうなるのか、まさに戦争だ」と批判した。さらに「知ったかぶりをしようとしたようだが、『キルチェーン』とは大量破壊兵器、核などの攻撃が確実であり、差し迫った時にそのターゲットを取り除くためのものだ」とし、「安保が政治的な利用の対象になってはいけない」と指摘した。イ候補は同日、フェイスブックにも「選挙のたびに出る保守政治家たちの安保ポピュリズムはまさに病的なレベル」だとしたうえで、「国民の皆さんが偽物の安保勢力を今回確実に審判してほしい」という書き込みを残した。また同日の夜にも「安保ほど重要なものはないのに、（ユン候補は）これを政略に活用して政争の対象にしている」とし、「こういうのは本物の保守ではない。自分の既得権を確保するために、国を滅ぼしてもいいと考える人々を、我々は守旧勢力と言う」と厳しい批判を続けた。

　安全保障が経済と直結しているという論理で、中道層と保守層に自分が「危機管理リーダーシップ」を備えた候補という点をアピールしたのだ。民主党の選対委関係者は「旧正月の連休前まで、今から2週間が最も重要だ。 家族が集まり、食卓を囲んでいる中で示された民意で、事実上大統領選挙が決まる」とし、「先週は経済について言及し、今週は安保・平和を強調するのも中道層の拡張のための行動」だと説明した。イ候補は前日、江原道麟蹄郡（インジェグン）のあるカフェで兵役を終えた若者たちと行った「ミョンシム・トークコンサート」で、「男に生まれたのが罪でもないのに、どんな形であれ、特別な犠牲（軍服務）に対しては相応の補償をしなければならない」とし、「20代の男性」に対する求愛に乗り出したのも、この延長線上にある。