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支持率40%台の壁に挑む韓国与党のイ候補、「大統領の資質」アピールし勝負

登録:2022-01-10 06:07 修正:2022-01-10 06:57
有能な行政・政策能力を浮き彫りに「信頼できる候補」をアピール 
11日には「5・5・5公約」裏付ける数値を提示し、政策的優位を強調
共に民主党のイ・ジェミョン大統領選候補が今月9日午後、ソウル鍾路区大学路の小劇場で、損失補償死角地帯の業種の小商工人らと懇談会を行っている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 共に民主党のイ・ジェミョン大統領選候補が最近、多くの世論調査で、国民の力のユン・ソクヨル候補を誤差範囲を超えて引き離しているが、40%の壁の前に足踏み状態が続いている。民主党では、野党陣営の一本化の流れに巻き込まれないためには、今月末までに40%はじめあるいは半ばの支持率を安定的に固め、旧正月の連休を迎える必要があるとみている。民主党は経済と暮らしの懸案に詳しく、準備できている候補だという点を強調し、大統領の「資質」の面でユン候補と差別化を図る構えだ。

 9日に発表された韓国社会世論研究所(KSOI)の大統領選候補支持率(7~8日、全国の有権者1001人を対象に行った携帯電話自動回答調査、信頼水準95%、標本誤差±3.1p)によると、イ・ジェミョン候補の支持率は37.6%で、1週間前より3.4ポイント下落した。ユン・ソクヨル候補も前週より1.9ポイント減の35.2%を記録した。一方、国民の党のアン・チョルス候補は9.2%から15.1%に躍進した。今月7日に公開された韓国ギャラップの世論調査(4~6日、18歳以上1002人対象、信頼水準95%、標本誤差±3.1p)で、イ候補は3週連続36%を記録した。ユン候補の支持率が1週間で35%から26%に下がる間、アン候補の支持率は5%から15%に急上昇した。

 民主党内では、ユン候補に背を向けた支持層をアン候補が吸収しているうえ、国民の力の内輪もめがある程度収束しつつある局面であり、野党内部の対立がイ候補の支持率上昇につながるのは容易ではないと判断している。与党の選挙対策委員会関係者は「不動産政策で現政権と差別化を図り、首都圏の民意と中道層を攻略してきたことがある程度実効性があったと思う」としたうえで、「ただし、実用主義路線を強化する過程で右往左往しているような印象を与えた点がイ候補大勢論の形成に少なからず足を引っ張った面がある」と述べた。さらなる支持率上昇を図るには、「信頼できる大統領候補」であることを立証する必要があるとみているのだ。民主党はこのため、生活密着型の公約から経済政策に至るまで政策を強化し、イ候補の存在感を高める計画だ。

 イ候補側は、これから始まる大統領選挙候補者討論会で「準備万端の候補」という認識を固めることができると期待している。また今月4日に「イジェノミクス」(イ・ジェミョン+エコノミクス)と名づけた「5・5・5公約」(国力世界5位、国民所得5万ドル、株価5千時代)を発表したのに続き、11日には「転換的公正成長」に向けた構想と5・5・5公約を裏付ける具体的な数値など細部のロードマップを提示する段階まで進める計画だ。

 また、大統領選勝利の「必須高地」とされるソウルをはじめ、週末には江原道や済州道など、これまでの「毎週乗る民生バス(通称メタバス、毎週3~4日の日程で全国を巡回し有権者に会うプロジェクト)」の日程で訪問できなかった地域を訪れ、支持拡大に努める方針だ。

 イ候補は同日、新型コロナウイルス感染症患者と濃厚接触した後、PCR検査で陰性判定を受け、活動を再開した。活動再開後すぐに新型コロナ防疫のための人数制限で被害を受けたにもかかわらず、補償の対象にならなかったウェディング業界や展示行事業界の関係者や2次被害を受けた食材納品業者と面会する一方、配達・アルバイト労働者たちと「国民町内会」を開き、非正規労働者に対する公正手当の全国的拡大と分譲価格上限制の民間導入などの政策公約を発表した。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1026583.html韓国語原文入力:2022-01-100 2:32
訳H.J

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