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韓国のマンション崩壊事故、コンクリート打設作業の多重下請け確認…違法性を調査

登録:2022-01-17 01:23 修正:2022-01-17 06:23
コンクリートポンプ車業者が打設 
警察「行方不明者の捜索が優先…事情聴取は延期」
崩壊事故から6日目を迎えた16日、光州広域市西区の花亭アイパーク新築工事現場で、救助当局が重機を動員して行方不明者の捜索を行っている//ハンギョレ新聞社

 労働者1人が死亡し、5人が行方不明になっている光州(クァンジュ)の新築マンション崩壊事故を調べている警察は、コンクリートの不良や手抜き工事、多重下請けがあったかなどについて捜査を行っているが、現場への接近が難しく、やや時間がかかるとみられる。

 光州警察庁の捜査本部は16日、事故が起きた11日午後3時36分に39階の床のコンクリート打設作業を行っていたのは、施工会社のHDC現代産業開発と契約を結んだ建設会社ではなく、コンクリートポンプ車を扱う業者の8人の社員だったことを確認し、多重下請けだったのかどうかを調べていると発表した。捜査本部の関係者は「ポンプ車業者の社員がコンクリート打設をしていたのは事実だが、違法下請けなのかは多くの資料を総合して判断すべき問題」だと説明した。

 民主労総建設労組の光州全南本部が公開した「花亭アイパーク201棟コンクリート打設日誌」によると、打設作業は昨年11月23日に35階の床から始まり、1週間あまりで1階ずつ建設が進み、12月24日には38階の天井の打設が行われた。12月31日には配管などが通る設備空間の階の壁の打設が行われ、ゲストハウスの入る39階の床のコンクリート打設作業中だった今月11日に事故が起きた。多くの専門家は、コンクリートの不良や養生期間(コンクリートが固まるまでの時間)の短さが原因ではないかとの意見を示したが、現場所長らは「正常に工事を行った」と話しているという。協力会社の関係者も「元請と管理監督の指示に従って工事しただけ」と陳述しているいう。

 光州警察庁のチョ・ヨンイル刑事課長は「現場所長と管理監督は召喚調査したが、今は行方不明者の捜索と救助が優先されるため、現場調査や現場関係者の召喚は難しい。現場の安全措置が終了すれば、国立科学捜査研究院などと合同で鑑識を行う予定だ」と述べた。管理監督は崩壊事故当時、コンクリート打設現場ではなく現場事務所にいたと警察に供述している。

 一方、光州市災害安全対策本部はこの日午後5時のブリーフィングで、「最初の犠牲者が発見された地下1階をはじめ、地下4階から屋外部分まで瓦礫を除去し、集中的な捜索作業を行ったが、行方不明者は見つからなかった」と発表した。光州西部消防署のムン・ヒジュン署長は「風などの気象の影響で一時作業を中止したりもした。小さな死角地帯も発生しないよう徹底した捜索・救助作業に取り組む」と述べた。14日午後に地下1階の階段で遺体となって埋まっているところを発見された60代の労働者の解剖の1次所見は、多発性臓器損傷だった。京畿道出身のこの労働者の葬儀は、ソウルのある葬儀場で行われている。

 施工会社の現代産業開発は、崩壊したマンションの上層部に宙づりになっている高さ145メートルのタワークレーンを解体するための、1200トン級タワークレーンの設置の完了を控えている。解体作業の安全性を高めるため、同規模のタワークレーンがさらに1台動員される予定だ。

キム・ヨンヒ、キム・ユンジュ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1027534.html韓国語原文入力:2022-01-16 19:03
訳D.K

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