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韓国の新築マンション崩壊事故、2日経って瓦礫の山から1人発見…残る5人はどこに

登録:2022-01-14 03:05 修正:2022-01-15 06:58
地下1階に埋まっていたところを内視鏡で発見 
肉眼での確認は難しく、身元や生死は未確認
13日午後、光州西区の住商複合マンション「花亭アイパーク」崩壊事故の現場で、重機が救助作業の準備をしている=光州/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

 6人の労働者が行方不明となった光州(クァンジュ)の新築マンション崩壊事故の3日目の捜索で、1人が埋まっていることが確認された。身元は確認できていない。しかし、この人は瓦礫の山の中に閉じ込められているため救助が難航しており、家族は心配している。

地下1階で行方不明者発見…救助は難航

 光州市災害安全対策本部(対策本部)は13日午前11時14分頃、内視鏡などを用いて崩壊した建物の地下1階の階段の手すり側の瓦礫の中から1人を発見した。しかし肉眼では見えず、生死と身元は把握できていない。対策本部は、行方不明者の上に積もった瓦礫が重いため人力での除去は難しいと判断し、掘削機などの重機を動員するため、事故マンション団地の覆いを取り除くなどして進入路を確保した。

 人が埋まっているのが発見されたとの知らせを聞いた行方不明者の家族たちは、対策本部を訪れて現場確認を要請したが、安全上の理由から認められなかった。一時、犠牲者の身元が確認されたというニュースが伝わり、一部の家族が嗚咽したが、誤解によるものだった。対策本部は家族の要請を受け入れ、午後4時から事故現場の内部を公開しており、夜間も捜索および救助作業を続ける計画だ。

 対策本部は前日、異常物体を探知したとの救助犬からの信号が送られてきた26~28階を含め、崩壊した23~38階を無人掘削機、ドローンなどを用いて捜索したものの、これといった成果は得られなかった。

 この日、施工会社の現代産業開発は、10人の独自の救助チームを現場に投入して支援に乗り出した。さらなる崩壊を防ぐため、ネットの設置などの作業も進められた。現代産業開発は1500トン規模のタワークレーンを追加で設置し、接近の難しい上層部の捜索を支援する予定だ。

 行方不明者家族対策委員会(仮称)はこの日、家族がそれぞれ行方不明者に電話をかけたところ、窓枠へのシリコン充填作業をしていた行方不明者の携帯電話の呼び出し音が聞こえたと発表した。家族たちは電話のベルを用いて行方不明者を探そうと対策本部に要請し、対策本部は機械的な誤りであるかどうかを確認中だ。義兄が行方不明になったと明かした対策委臨時代表のアン・ジョンホさん(45)は、安全に配慮した捜索を要請しつつ、「行方不明者の家族は速やかな救助を望んでいるが、これ以上の人命被害も望まない」と述べた。

6人の労働者が行方不明になった光州西区の花亭アイパーク崩壊現場で、事故発生から3日目にして1人が埋まっているのが発見された13日午後、極寒のうえに雪まで降るという悪条件の中、捜索隊員と救助犬が行方不明者の救助作業を行っている=光州/シン・ソヨン記者//ハンギョレ新聞社

イ・ヨンソプ市長「全面撤去もあり得る」

 警察は前日に現代産業開発の現場所長(49)を業務上過失致傷の疑いで立件したのに続き、同日、コンクリート納品業者、施工下請業者の計3社を家宅捜索した。警察は、接近が可能になれば現場事務所も家宅捜索を行う予定だ。光州地方雇用労働庁も、現場所長とコンクリート施工業者の現場所長などを産業安全保健法違反の疑いで前日に立件している。

 崩壊事故現場の花亭(ファジョン)現代アイパーク201棟の処理にも注目が集まっている。事故の起きた建物は上部層の内部と外壁が崩れ落ち、南の壁だけが危うい状態で残っているため、さらなる崩壊も懸念される。

 光州市のイ・ヨンソプ市長は、この日午前の現場ブリーフィングで「専門家とともに徹底的に点検し、建物の安全性が確保されていなければ、建物を全面撤去した後に再施工することも検討する」と明らかにした。専門家による点検と安全性の未確保という条件が付いてはいるものの、40階近くまで建設の進んだ建物を全面撤去することもありうるという「強硬手段」に言及したわけだ。

 専門家の意見は撤去と補強に二分されている。39階建ての上部の16層が一気に崩れ落ちるという建設史上初の惨事であるだけに、全面撤去は避けられないという意見がある一方で、ベルトトラスのある23階以下の下部は無事だと思われることから、まず下部の精密安全診断を行ってから構造補強作業を行い、上部のみを建て直すというやり方も取り得るという意見も出ている。光州大学建築工学科のソン・チャンヨン教授は「安全診断の結果が重要だ。構造的な安全性、入居者の態度などが変数となりうる」と述べた。

 入居予定者は、崩壊した建物だけでなく、2つの団地の全8棟をすべて撤去し、建て直すべきだと主張している。入居予定者は「怖すぎて誰が入居して暮らしたいと思うか」、「建て直しても超高層ビルが一気に崩壊したという記憶を振り払うのは難しい」と不安を口にした。

 現代産業開発は「行方不明者の救助と捜索に力を集中すべき時」とし「事故がある程度収拾されれば、その後、救助専門家の安全診断を経て対策を出す」と低姿勢を保ちつつ即答を避けた。

 11日午後3時46分ごろ、新築工事中の光州花亭アイパークマンション201棟の23~38階の外壁が崩れ、28~34階で作業していた6人の下請け労働者の行方が分からなくなっている。

キム・ヨンヒ、キム・ユンジュ、アン・グァノク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1027253.html韓国語原文入力:2022-01-13 20:24
訳D.K

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