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韓国大統領選まで残り2カ月で「マイウェイ」行く保守野党のユン候補、成功なるか

登録:2022-01-06 09:46 修正:2022-01-06 12:17
国民の力のユン・ソクヨル大統領候補が5日、ソウル汝矣島の中小企業中央会館で開かれた「2022中小企業家新年会」で、携帯電話で通話している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 国民の力のユン・ソクヨル候補が、大統領選挙を63日後に控えた5日、キム・ジョンイン総括選挙対策委員長を事実上更迭し、「ユン・ソクヨル式選挙」を行うと宣言した。これまでの選対委を解体し、自分を軸にした「超軽量実務型選対本部」で選挙を行うという決定に、期待と懸念が交錯している。

 ユン候補はこの日、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で記者会見を開き、「選挙対策機関と国民の力を導き、国民に安心を与えなければならなかったが、それができなかった。すべてが候補である私の責任だ」とし「本日付で選対委を解散する」と述べた。キム・ジョンイン総括選挙対策委員長が自分に相談なく提示した選挙対策委員会改編案を公式に拒否し、キム委員長も事実上解職したのだ。キム委員長は3日、政策・政務・公報など主要機能を自分の直属の総括状況本部に一本化する改編案を発表していた。

 ユン候補は、噂が絶えなかった「最側近」と言われる関係者も後退させると述べた。また「私に近い人が選対委に影響を及ぼすという国民の皆様の懸念もよく分かっている。これからはそんな心配をかけない」と述べた。最側近として挙がっていたクォン・ソンドン事務総長とユン・ハンホン議員は、この日党職と選対委の職責を辞任した。

 さらに、ユン候補は当選4回のクォン・ヨンセ議員を選対本部長に任命し、組職・政策・戦略・広報など主要機能だけを選対本部に残して、残りの本部はすべて解体することを決めた。ソウル大学法学部のユン候補の2年先輩で、検事出身であるクォン議員は、2012年の大統領選挙で、当時のセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)大統領候補の中央選挙対策委員会総合状況室長を務めた。

 選対委の解体、キム・ジョンイン委員長との決別に要約されるユン候補の決定は、自分のやり方通り残りの60日余りの大統領選を行うという「マイウェイ」宣言と解釈できる。

 ユン候補側は、初心と政権交代を改めて強調した。ユン候補は記者会見で「ひとえに政権交代のために政治の道に足を踏み入れた。文在寅(ムン・ジェイン)政権でめちゃくちゃになった公正と常識を必ず正すという約束をした」とし「国民が期待していた最初のユン・ソクヨルの姿に戻る」と述べた。文在寅政権に対抗した粘り強さと決断力を強調する戦略に舵を切ったのだ。

 ユン候補は、急速に離脱する若者層にも求愛メッセージを送った。記者会見で「特に、これまで20~30代に失望を与えたことを深く反省し、全く違う姿をお見せすることを約束する」と述べた。

 党内では、ユン候補の決定に肯定的な期待をかけている。ある重鎮議員は本紙に対し「この機会にユン候補も心機一転して言葉に気をつけ、専門的なことは勉強して、より良い姿を見せなければならない」と述べた。

 しかし、懸念も少なくない。特に政策と政務分野でユン候補の弱点を補完し、中道層を支えてきたキム・ジョンイン委員長との決別は、少なからぬ損失だ。さらに、ユン候補が「自分のやり方」で選挙を行うと宣言しただけに、政権審判論や理念による「色分け」、荒っぽい表現などを前面に押し出した強硬保守的な姿勢であっという間に支持率を失った二の舞になるのではないかという声も聞かれる。選対委を改編しても、支持率下落の根本原因である「候補リスク」は依然として残っているということだ。

 龍仁大学のチェ・チャンリョル教授は「政治経験のないユン候補が適切なメッセージと政務的判断をすることができるか懸念されるのは事実」とし「これまでの常識を外れた発言が出なければ災い転じて福となり得るが、誤った言行と失態が続けば手に負えない状況になる」と指摘した。

キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1026184.html韓国語原文入力:2022-01-06 07:31
訳C.M

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