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韓国政府、「日常回復第2段階」延期の可能性に言及…「非常計画は検討しない」

登録:2021-11-12 02:29 修正:2021-11-12 08:01
重症473人で過去最多、首都圏の病床稼働率75%前後 
政府「第1段階中断」非常計画検討は否定「患者数は予測範囲内」
11日午後、ソウル中区の国立中央医療院に設置された中央事故収拾本部の共同対応状況室で、ある関係者が病床配分に関する資料を検討している。中央防疫対策本部は、同日午前0時現在でコロナ重症患者は前日から13人増の473人となり、韓国でのコロナ禍開始以降、最多を記録したと発表した/聯合ニュース

 新型コロナウイルス感染症の重症患者が連日過去最多を更新する中、チョン・ウンギョン疾病庁長は、12月13日に予定されている段階的日常回復の第2段階への転換を延期する可能性に言及した。ただし政府は、まだ病床数が安定しているため、日常回復の第1段階を中止する非常計画の実施は検討していないとして一線を引いた。

 チョン・ウンギョン庁長は11日の国会保健福祉委員会で「自営業者などをはじめとする国民の生活の厳しさから社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を緩和したため、(段階的日常回復の)第1段階での緩和の幅が大きかったと判断する。重症患者が増加しているため鋭意注視しており、(日常回復の第2段階には移行せず)第1段階を継続、または措置を強化しうる」と述べた。共に民主党のシン・ヒョニョン議員による重症患者の増加についての「今の増加傾向なら第1段階が続くという可能性も検討するか」との質問に回答したもの。チョン長官はただし「まだ(今月1日に段階的日常回復に移行してから)10日ほどであるため、状況をもう少し見守りながら段階の転換や追加措置を検討する」と述べた。

 中央防疫対策本部(防対本)が発表した11日午前0時現在の重症患者数は473人で、前日より13人増え、またも過去最多を記録した。この日の死者数も21人で2桁が続いており、新規感染者は2520人で前日より95人の増だった。重症患者と感染者の増加により、首都圏の病床は稼働率が75%ほどに達している。中央事故収拾本部(中収本)の資料によると、10日午後5時現在の首都圏の病床稼働率は、重症患者専門病院が72.9%、準重症患者病床が75.4%、感染症専門病院(高危険群の軽症、中等症患者)が74.9%で、いずれも75%前後。ただし全国的な病床稼働率は60%前後だ。

 政府は、現在のところは医療対応状況が安定しているため、首都圏に限定した非常計画や特別防疫措置は検討していないと釘を刺した。現在、全国の重症患者用病床は1125床、準重症患者用病床は455床で、重症患者関連の病床は1500床が確保されているため、1日の重症患者数が500人を超えても対応できるとの説明だ。中収本のソン・ヨンレ社会戦略班長は「現在、患者の発生数は予測の範囲内にある」とし「現在の医療システムで問題なく十分に耐えられる」と述べた。続けて「今週と来週の状況を見守る必要があるが、今は非常計画を議論すべき状況ではない」とし「段階的な日常回復へと移行すれば、一定程度は感染者と重症患者が増えざるをえない。医療システムの対応が可能なら、(中断なく)段階的な日常回復へと向かうべきだ」と述べた。

 政府はこのところの重症患者の増加を、早期にワクチン接種を開始した高齢層の突破感染(ブレイクスルー感染)拡大による現象と判断している。したがって、療養病院や医療機関だけでなく、60歳以上の高齢者一般を対象とした追加接種の間隔を6カ月から5カ月に短縮する案も事実上決定している。コロナ予防接種対応推進団のキム・ギナム接種企画班長は、この日のブリーフィングで「最近のワクチン専門家諮問団の会議では、突破感染の増加を考慮すると、高齢層の追加接種の時期を現在の接種完了後6カ月から繰り上げる必要性があるという部分について、コンセンサスがかなり形成されていると判断した」とし「予防接種専門委員会の議論を経て、追加接種間隔の短縮についての最終決定事項を来週中に発表する予定」と述べた。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1018967.html韓国語原文入力:2021-11-11 17:03
訳D.K

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